【VOICE】これからのインバウンド MATCHA 代表取締役社長 青木 優 氏


青木氏

戦略的な「T型発信」を

 「インバウンド客が戻ってきたけれど、まず何をすればいいか分からない」

 インバウンドの個人客旅行が解禁し、そんな相談が増えてきました。

 私はインバウンド向けメディア、MATCHAの代表をしています。MATCHAは、世界227の国・地域から毎月300万人を超えるアクセスがある日本最大の訪日向けメディアです。2013年に会社をつくり、今に至ります。

 インバウンドにおいて、情報発信はとても重要です。どれだけ魅力的な観光資源があったとしても、それが海外からの訪日客に知られなければ、訪れることはないのです。ただ、インバウンドに向けた情報発信をどこからすればいいのか悩んでいる人も多いのではないでしょうか。

 私たちは、戦略的な「T型発信」を提唱しています。まずは「分かればいい」情報をコストを抑えて出し、反応からターゲットがつかめた段階で、特定層に向けて深いストーリーがある発信をする。2段階の戦略が有効だと考えています。もう少し詳しく書きます。

 Tの横の棒は、写真、スポット概要、営業時間など、分かればいい情報です。そういった情報はなるべく低コストで作ります。例えば、〇〇町おすすめの観光スポット10選や、〇〇への行き方などの情報です。

 Tの縦の棒は、より特定の人や国に刺さるストーリーがある発信です。なぜ台湾人は〇〇に行くべきか?等の情報です。

 今までは、横と縦の情報をごちゃまぜにして発信することが多かったのです。Tの横の棒についても、1文字1文字翻訳をして、コストをかけていました。ただ、それらの情報がどれくらい読まれるかは分からないわけですね。それよりも、いったん低コストでコンテンツを多言語化し、そこから見られたものに対して人の手をかけたり、深掘っていくほうが、時間やコストに対する効果が高まります。

 MATCHAでは、どこからインバウンドの情報発信を始めればいいか分からないという地域や、戦略的なT型発信を推し進めたい地域に向けて新しいサービスをリリースしました。MATCHA Contents Manager(通称MCM)というサービスです。地域の方が簡単に多言語で、MATCHAを通じて情報を発信できます。低廉な月額料金だけで、立ち上げにコストがかからないのが特徴です。

 まだスタートして1カ月ほどですが、多くの引き合いと反応をもらっています。インバウンドの新しいインフラとなり、日本のインバウンドを推進するサービスとなるよう成長させていきます。

 

 
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