【2025高校教育旅行特集】主要旅行会社5社の教育旅行に関する取り組み


【JTB】教育メタバースを構築 4月に本格開校

 JTBが構築した中学校・高校の探究学習、キャリア学習支援向け社会体験学習プラットフォーム「Potential Meets You Academy」(PMY Academy)が4月に本格開校を予定している。メタバース空間で企業の事業活動を学んでもらうもので、2028年までに企業60社の参画、全国1千校への導入、生徒45万人の利用を目指す。

 PMY Academyは、ノーボーダーズ社(ドバイ)が開発するAI×Web3・0メタバース「XANA(ザナ)」の基盤上に展開。生徒がアバターとなってメタバース空間に公開される企業ルームを巡り、学びを深めてもらうことで、回遊性を高め、生徒個人の興味関心に応じた学習を実現した。

 学習プログラムは、総合的探究の時間やホームルーム、各教科の補助教材として活用可能。登校が困難な生徒の学習支援や、放課後、休暇期間中の自主学習にも対応する。

 同社は昨年12月から三菱UFJアセットマネジメント、第一三共ヘルスケア、ニチレイフーズ、明治ホールディングスなどの企業と連携し、順次教室を公開、トライアルを進めてきた。参加企業に協賛してもらうことで、学校側は費用負担なく導入できる事業モデルを提供する。

【日本旅行】「脱炭素」学ぶツアー 大阪・空堀で交流体験

 日本旅行は、空堀地区(大阪市中央区)を舞台とした脱炭素を学ぶ教育プログラム「大阪からほりレトロウォーク」の予約を受け付けている。大阪市の委託事業。ガイドウォークやワークショップを通じて楽しく環境問題について考えてもらう。

 空堀地区は大阪城の南に位置し、古い長屋や町家の町並みが残る歴史あるエリア。プログラムには地元ガイドが街を案内する「ガイドウォーク」と、サステナブルな取り組みを推進する地域住民との「ワークショップ(交流体験)」を組み入れた。ワークショップでは、廃棄野菜や果物を使った染色体験や、昆布ミュージアムの見学など、脱炭素社会を学べる多彩なコンテンツを用意した。

 オリジナルの事前学習教材も用意。従来の修学旅行と同プログラム実施時のCO2排出量をそれぞれ算出し、可視化にも取り組む。

 同社は大阪・関西万博の来場と併せたプログラムの活用を推奨しており、万博が掲げる脱炭素推進の方針に沿い、生徒の環境意識向上と行動変容を促すねらい。

【近畿日本ツーリスト】学校支援人材を育成 探究学習に対応

 近畿日本ツーリストは2024年度、教育旅行営業担当者の育成を目的とした「学校支援コーディネーター養成研修会」を社員を対象に実施した。東京学芸大学(東京都小金井市)の「高校探究プロジェクト」と連携し、探究学習に対応した教育旅行の企画・提案力を育成するもので、ワークショップや実地提案、事後研修を通じて、学校の教育目標に即した旅行プランの立案を学んだ。

 2回目の開催となる今年度は初級に加え新たに中級クラスを設け、初級取得者がステップアップできる体制を構築。また、研修の一環として、学校行事のコーディネートにも携わった。

 参加者からは「ヒアリングなどにおいてより的確な質問ができるようになった」「旅行中だけではなく、旅マエでの事前学習、旅アトでの事後学習を意識する提案を心掛けるようになった」などの感想が挙がり、実務への効果も表れてきている。

【東武トップツアーズ】万博で学ぶSDGs 共同で探究学習開発

 東武トップツアーズとコカ・コーラボトラーズジャパンは、大阪・関西万博を活用した中学生以上向けの探究学習型修学旅行プログラムを共同で開発している。生徒が社会課題を考え、解決に取り組む力の育成を目指す。

 プログラムは、「循環型社会」「生物多様性」「DE&Ⅰ(ダイバーシティ、エクイティー&インクルージョン)」の三つを学習テーマに設定。事前学習、万博会場での実地研修、事後学習の3ステップで構成する。

 循環型社会では、事前学習としてコカ・コーラ社の「ボトルtoボトル」リサイクルの取り組みを学び、実地研修として会場でSDGs関連の現場を見学。DE&Ⅰでは、アスリートによる講義などを受けた後、東武トップツアーズがスポンサーとなる「いのちの遊び場 くらげ館」などの会場施設を訪問。多様な存在価値について学習する。

【阪急交通社】教育旅行部新設、営業体制強化へ

 阪急交通社は、4月1日付で組織の一部改編を実施する。現行の法人団体営業本部の下に「教育旅行営業部」を新設し、「東日本営業部」「西日本営業部」「教育旅行営業部」の3部体制に変更。より盤石な営業体制で事業を拡大し、教育旅行事業の強化を目指す。

 
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