【2024新春特集】旅館経営者座談会 山水荘 × 強羅花扇 × いなとり荘 × 朝野家


(左から)いなとりs荘 村木氏、朝野家 朝野氏、強羅花扇 飯山氏、山水荘 渡邉氏

新たな時代への幕開け 変化に立ち向かう旅館経営

 数年間にわたる激動のコロナ禍を乗り越え、新たな旅のスタイルや価値観の変化に向き合うことが求められる中、宿泊業のさらなる活性化に向けて果敢に取り組んでいる旅館・ホテルがある。いかにして変化に耐え得る組織の構築や、新たな取り組みへの挑戦、実益確保へとつなげていくのか。気鋭の旅館・ホテル経営者4氏にお集まりいただき、語ってもらった。(東京の観光経済新聞社で)司会=観光経済新聞編集長 森田淳

(左から)いなとり荘 村木氏、朝野家 朝野氏、強羅花扇 飯山氏、山水荘 渡邉氏

 

 ――まず、自己紹介を兼ねてそれぞれの自館の特徴、経営の現状について伺いたい。

 渡邉 福島県の土湯温泉で山水荘とYUMORI ONSEN HOSTELの2店舗を経営している。山水荘は2023年に開業70周年を迎えた。両館が所在する地域はこけしの発祥地としても有名で、宿としては特殊な国立公園の中にある。客室数は山水荘が69室、YUMORI ONSEN HOSTELが30室。山水荘は22年5月に大規模リニューアル工事が完了し、万全の体制でコロナ禍明けのスタートダッシュを切ることができた。YUMORI ONSEN HOSTELは温泉宿とゲストハウスを融合させた新しい宿の形として18年に開業。廃屋の旅館だった建物を改装して立ち上げた。ホステルならではの素泊まりプランを導入したことで訪日客の宿泊も増え、インバウンドの増加に貢献している。

山水荘 常務取締役 渡邉利生氏

 

 ――山水荘の大規模リニューアルで変化した点は。

 渡邉 国の補助金を活用して露天風呂とテラス付きの客室を15部屋、オープンキッチン形式のレストラン、個室の料亭、大浴場などを導入した。オープンキッチンにしたことで厨房とお客さまの距離を近づけてコミュニケーションを取りやすくしている。料理の面では地産地消を意識した食材選びはこれまで通り継続。提供方法は一から見直し、従来の会席料理だけではなくコース料理の発想も取り入れた。なるべく1品出しで温かい料理と冷たい料理を分けるなど、ひと手間をかけて提供している。また、宿を原点回帰する、という思いを込めて屋号を「水織音の宿」に変更した。自然豊かな国立公園の山の水源から採れる水を館内で活用しており、富士山の天然水と同じくらい軟水で癖がないことから、提供する料理にも使用している。このような当館のコンセプトやストーリーをお客さまに伝えていきたいという思いを込めてこの屋号を名付けた。

 ――ALPS処理水による風評被害の影響はどうか。

 渡邉 これまでは海外からも問い合わせが頻繁に来ていたが、現在はだいぶ落ち着いた。個人的な考えとして、気にする方は気にする、気にしない方は気にしないと二分化しているように感じる。無理に来てもらうのではなく、興味を持ってもらえる方にしっかりと福島や東北の良さや魅力を発信していくことで次第に緩和されると考えている。

 

 飯山 当館は箱根の中央にある強羅地域で強羅花扇と円かの杜(もり)の2店舗体制で運営している。元々は岐阜県の飛騨高山で運営しており、09年に箱根にもオープンした。箱根に進出してきた当時は早雲閣という旅館も運営していたが、19年に発生した台風19号の影響で裏山の土砂崩れが発生。1階が土砂で埋まり、建物が傾くなどの被害に遭い、やむなく閉館した。強羅花扇と円かの杜の客室はそれぞれ20室、全客室露天風呂付き。宿泊者層は個人客やファミリー層が中心で、3世代で記念日に利用する方も多い。

 ――強羅花扇と円かの杜の施設の違いはあるか。

 飯山 14年に開業した円かの杜のコンセプトは、強羅花扇でできないことをお客さまに提供すること。強羅花扇は大浴場、食事処、エステルームといった基本的な設備しかないのに対して、円かの杜は岩盤浴、夕食後気軽に飲めるバー、割烹の席など、強羅花扇にはない新しい設備を導入している。割烹の席は板前が目の前で料理を仕上げて提供する仕様になっており、アレルギーや宗教的な配慮が必要な食材の確認がしやすくなった。2店舗体制になってからは訪日客をはじめ幅広い客層に対応できるようになったと感じている。

強羅花扇 専務取締役 飯山雅樹氏

 

 ――コロナが明けて経営状況は変化したか。

 飯山 正直なところ、思うように売り上げを上げられていないのが現状。特に慢性的な人材不足に頭を悩ませている。元々は飛騨高山で経営していて箱根地域につながりがなかったことも要因だが、箱根の人口は約1万人、強羅は急な坂が多く生活に欠かせないスーパーなどの店が少ないといった理由から定住する人も少ない状況。働いてくれるスタッフが限られてくるとどうしても客室数を限定して営業せざるを得ないので、有効的な対策を講じる必要があると感じている。そういった地域の特性上、中途採用での雇用が難しいが、ここ4~5年は新卒採用に力を入れている。合同企業説明会に出展し、積極的に募集を呼び掛けたところ、努力のかいもあって最近は意欲的に働いてくれる若いスタッフが増えてきた。働きやすさ、働きがいがさらに生まれる環境に整えていきたい。

 

 村木 稲取温泉の海一望絶景の宿、いなとり荘と弓ヶ浜温泉の季一遊の2店舗を運営している。客室数はいなとり荘が57室、季一遊が40室。いなとり荘は絶景の大海原、季一遊は弓ヶ浜とそれぞれ海に面した立地にあるのがポイントで、海、温泉、料理の3本柱でサービス展開を行っている。伊豆地方は首都圏から比較的近い温泉地のため、GoToトラベルや県民割など国の事業が功奏し、他の地域と比較してもコロナからの立ち上がりが早かったと感じている。経営状況はまずまずの経過。スタッフの出勤状況によって毎日販売客室数を決めて運営している。周辺に食事施設が多いといった地域特性を踏まえ、当館でも1泊朝食のプランを作成したところ、3、4泊と連泊する方も増え始めた。最近の宿泊者はカップルを中心とした個人客、若年層のお客さまが中心。静養や保養など、ゆっくりと滞在したい方や海外旅行の代わりとして長期で過ごしたい方に多く利用いただいている。

いなとり荘 代表取締役社長 村木康之氏

 

 朝野 当館は98度の高温の温泉が湧く、兵庫県の湯村温泉で経営している。五つの源泉を保有しており、その湧き出る湯量は1分間に430リットルと露天風呂や源泉掛け流しの客室風呂を作りやすいのが利点。運営方針はコロナをきっかけに、大きく方向転換した。1組で2部屋を使用いただき、70室あった客室を35室での運営に切り替えた。お客さまはもちろん、社員の安心と安全のためコロナ対策として(1)お客さまとスタッフの接触時間を短縮(2)休息部屋、食事部屋の2部屋利用によるラグジュアリー感を演出(3)食事時間の間にもう1部屋で布団を準備することで労働効率を高める―を実施した。さらに、会席の献立を月替わり(毎月15日)に変更。旬の料理を提供するため、食材や器を季節に応じて変えたほか、新板長を迎えた。今では献立の9割以上が手作りの料理となり、漬物まで手作りになった。

 スタッフの人数はコロナ前と同等なので、2部屋利用にしたことでお客さま1人当たりのサービス基準が上がった。結果、客単価の上昇、顧客の利用率増加につながり、おかげさまでコロナ禍でも売り上げを維持することができた。

朝野家 相談役 朝野浩昌氏

 

 ――インバウンドの回復状況は。

 渡邉 福島でもやっと追い風が吹き始め、順調に個人、団体客が増え始めている。コロナによる影響もほとんどない。20年に開催された東京オリンピックでは、福島が競技会場として指定されたこともあり、YUMORI ONSEN HOSTELは福島の復興とインバウンド拡大に大きく寄与した。おかげさまで現在まで含めても約200カ国から来訪いただいている。

 村木 当館のインバウンドの宿泊数は年間2%程度で、館内のオペレーションやコミュニケーションの対応が追い付いていない状況。当館自慢の海の景色や料理を喜んでくれる方も多いため、良さは残しつつ、受け入れを強化してインバウンド比率を上げていきたい。

 朝野 コロナ前は5%を占めていたが、コロナで0%に落ち込み、現在は3%ほど。以前は香港、台湾の訪日客が中心だったが、コロナ後はオーストラリア、アメリカから訪れる方も増え、マレーシアのお客さまを中心にハラル対応にも重点的に取り組んでいる。

 

 ――力を入れている取り組みとその成果について。

 渡邉 当館はコロナ前まで団体向け旅館だったが、コロナを経て個人客にも利用してもらうための施策に悩んでいた。その頃、サービス業の生産性向上に詳しい内藤耕氏に「設備投資をする時が一番お客さまとの距離を近づける最大のチャンス」というアドバイスをもらったことをきっかけに、設備投資に力を入れ始めた。まず、厨房の真裏にオープンキッチンを設け、お客さまと厨房の距離をより近づけた。1品提供したら1品下げて、食器はすぐに食洗器で洗うという仕組みを構築したところ、顧客満足度も上がり、高付加価値化と生産性向上の両方を改善することができた。さらにバックヤードの効率化にも取り組み、忙しい土日でも夜の21時半には終えられるように勤務体制を見直した。インバウンドでは風評被害というハンディキャップを抱えながらも海外営業に挑戦したり、海外OTAを通じて訪日客からの口コミ募集を強化したりと試行錯誤しながら現在も取り組んでいる。

 ――コロナ禍では国からの補助金や支援が増えていたが活用状況は。

 渡邉 以前、観光庁の担当者に「宿泊業の皆さんには地域振興を期待している」と言われたことがあり、われわれに対する期待は熱烈なものがあると感じるとともに、旅館の在り方が時代に合わせて変化していると感じた。山水荘の大規模リニューアルでも活用したが、今後も国の補助金や助成金を積極的に活用していくべき。政治、行政、観光事業者が手を取り合って地方にお客さまを呼び込み、地域活性化を進めていくことが今後大事になってくると考えている。

 

 飯山 常に取り組んでいることは従業員の離職対策。長期的に働いてもらえるよう試行錯誤しているが、辞められた時は精神的ダメージが大きい。そうならないためにも、ここ5年ほど前から先にシフトを作って従業員の休みを確保し、シフトに合わせて予約の数を設定するようにしている。

 今後計画しているのは、仲居さん以外のスタッフも一緒に料理を提供すること。チェックインからチェックアウトまで同じ仲居さんが対応するのが旅館の伝統というイメージがあり、それを求めている方も多いが、どうしても拘束が長くなってしまうのが難点。提供人数が増えることで1人当たりの負担が減る。最近は経営層だけではなく従業員一体となって売り上げを作っていこうと良い動きが出てきているところなので、ネガティブなイメージを払拭しつつも、旅館の良さをなくさない施策を今後も模索していくところだ。

 

 ――設備面で取り組んできたことは。

 飯山 早雲閣が台風による大雨で水害に遭い閉館したことで、環境問題に取り組むためのその一環として23年の7月に水素調理器を導入し、世界初の試みとなる水素を使った料理を提供している。水素コンロは水素ガスを燃焼させて調理するため、CO2の排出がゼロ。脱炭素で環境配慮にも適しているだけではなく、出来上がりのおいしさも兼ね備えている。現在は肉焼きグリルのみで導入しているが、相性の良い食材を見極めながら煮炊き用のコンロでも導入予定。水素ガスはプロパンガスの3倍の値段と高価格だが、国の再構築補助金を活用して導入した。

 

 村木 私が代表取締役に就いてから、常に職場環境の整備に重視して取り組んできた。会社としてやる決定はスタッフができても、やらない決定は自分の立場でしかできないので、まず働かない日を設けることにした。16年から休館日を年間30日設け、残りの営業日の中でスタッフのシフト管理や売り上げ計画を作っていく方針を固めた。働く時は働く、休む時はしっかり休む仕組みを作ることが生産性向上につながると考えている。スタッフの育成としては、コロナ前まで研修制度を設けていた。交流のある周辺の旅館へ約2週間研修に行ってもらい、後日担当者から本人の特技や性格などを聞いて本人とのコミュニケーションや指導に生かしている。当館が研修生を受け入れることもある。新入社員は中途社員と異なり比較するものがないため、有効な手段だと考えている。コロナも明けたので、これから再開していきたい。

 設備の面では15年から年に1回、両館で設備投資を行っている。お客さまに高付加価値化につながるサービスを提供するため、14年にほぼ油を使わない設備を導入するなどの取り組みを進めてきた。最近では電力の物価高騰の影響もあり、新しい取り組みは模索中。

 

 朝野 当館が所在する新温泉町は数年前から98度の温泉を活用した温泉発電を行っており、今後当館でも活用していきたい。ただ現在の技術では効率化の面でまだまだ課題がみられるため、現在は冷暖房設備に温泉の熱エネルギーを活用するところまでにとどまっている。温泉街ならではの非常に将来性があるエネルギーなので、導入に向けて取り組んでいきたい。

 職場環境は改善傾向。当館のある地域は産業が少ない地域だからこそ、宿泊業が地域住民に職業として前向きに捉えられていることは非常に有利な点だ。現在は労働基準局の指導を元に昼営業の廃止、休館日を年間30日と決め、8時間労働の徹底を心がけている。継続するためには旅館の売り方も考えていかないといけない。例えばカニが解禁される秋から冬の繁忙期は休館日を取りにくいため、スタッフの休みも確保しづらい。最近の物価高騰も踏まえ、カニ一本に頼らないよう企画造成にも力を入れ、職場環境改善にもつなげていきたい。

 

 ――新しい時代に目指すべき旅館像は。自館の将来ビジョンとビジネス展開について伺いたい。

 渡邉 国立公園といえばさまざまな規制が厳しく、何かをやるにも許可が必要だが、当館のある磐梯朝日国立公園は豊かな自然を訪れる方々に体験してもらう「ナショナルパーク」としてアピールしていくという方針に変わりつつある。今までにお越しいただいたお客さまはもちろん、今後は海外のお客さまにも日本の自然や地域文化を伝えることが大切だと日々感じている。最近のお客さまは日々の疲れを癒やすために旅行に行く、という感覚を持つ方が非常に多い。福島は湯治文化発祥の地。癒やしとともに自分たちの原点やストーリーをしっかりと伝えていきたい。

 また、旅館として地域創生にも積極的に関わっていく時代だと考えている。先日、ニューヨークのイベントで福島の伝統産業であるこけしを販売したところ、あっという間に100本売れた。初めて当館に訪れた台湾の富裕層向けツアー客も売店でこけしを55本購入してもらったこともあり、こけしは地域創生のきっかけとして大変可能性があるものだと感じた。コロナ禍ではオンラインショップで小さいこけしを販売したところ、若い女性にも購入してもらえるようになった。昔は地域にこけし職人が10人ほどいて、マニアの方がこぞって購入するという相互利益の関係で成り立っていたが、現在は担い手も減り衰退産業になることへの懸念を感じている。普段売店で地域の飲み物なども販売しているが、ニューヨークでの販売をきっかけに旅館としていろいろなことができると感じた。コロナも明け、対面での機会も増えた今、海外でも挑戦していきたい。

 地域を守っていくことも地場産業である旅館の役割。旅館のメインは宿泊だが、地域の守り手として必要とされていることを実感している。

 さらに一歩踏み込んで、地域の方々と一緒に地域創生につながる活動を行っていきたい。

 

 飯山 SDGsの面では、水素調理器やアメニティの脱プラ化やごみ処理などの問題に意識を向けた運営を進めている。温泉ももともとは自然のもの。使わせてもらう立場としては感謝しながら守り続けていかないといけない。もちろん企業なので、環境配慮だけではなく売り上げ、従業員満足度(ES)の3本を両立しながら今後も取り組んでいきたい。旅館業は経営者だけではなくスタッフがいないと成り立たない商売なので、特に人材不足対策には重視して取り組みたい。設備投資の面では今年度、業務用洗濯機の導入を予定している。リネンや作務衣等お客さまに提供するものを自分たちの手で納得のいく品質に仕立てた状態で提供することで、高付加価値化につなげたいと考えている。

 今後のビジネス展開は、館内で提供しているお茶請けのお菓子やデザート、記念日のケーキなどの洋菓子を自社で製造していく方針を立てている。もともと洋菓子製造の経験があるスタッフが作っていたが、製菓専用の厨房スペースがなく、ほかの仕事との兼任で打ち込める環境がないといった状況だった。現在は国の高付加価値化事業の補助金を活用して製菓の厨房の導入を進めている最中。完成後はスタッフを増員して製菓部門を立ち上げる。

 ――洋菓子を自社製造することによりどのような売り上げを見込んでいるか。

 飯山 将来的には製菓部門で当館のお土産を造成し、売り上げを立てたいと考えている。現在は周辺の旅館・ホテルでも自社で洋菓子を製造している施設がない状況。自社製造の仕組みが整えば当館の来訪者だけではなく、周辺施設、地域住民に購入してもらうようになり、幅広い層の方々と接点を構築できる機会になると考えている。

 

 村木 当館で一番力を入れていきたいのはスタッフの待遇を良くすること。地元の旅館組合でも懸念事項として挙がっており、仕事内容に見合う年収や賞与をしっかり出せるようにしないといけないと感じている。そのために今は旅館の運営方法を見直しているところだ。また、旅館としてさらに力を入れていきたいのは情報発信。低コストで発信できるSNSは旅館としても活用していくべきだと考え、インスタグラムを継続したところ、約3・4万人フォロワーのアカウントにまで成長させることができた。1回ボタンを押せば数万人に届くツールはなかなかない。情報発信はわれわれ旅館業界の弱い点でもあるので、SNSでの情報発信を旅館の価値ある一つの仕事として確立させ、今後も活用していきたい。

 

 朝野 当館が目指す旅館像は、手段ではなく目的として選ばれる旅館、差別化ではなく唯一化できる旅館。現在は98度の温泉を生かして、ゆで卵作り体験やスタッフによる温泉街のジオガイドなどを行っており、来訪者からも人気を博している。在籍しているガイドのうち、自前のガイドは社長を含め25人、手の空いたスタッフが行っており、今後も同世代旅行、誕生月旅行などの企画を通してお客さまの旅のメインとして選ばれる旅館になれるよう取り組んでいきたい。

 インバウンド向けの取り組みとしては1カ月に2回、台湾・香港の旅行会社向けにデジタルストレージを使った情報発信を行っている。最近ではツアー以外にインセンティブ旅行に当館を利用いただくなど結果も出始めている。当館のある湯村温泉は、JR線が1時間に1本しか通らないような交通の不便な場所だが、京都の伊根、天橋立、出石、鳥取砂丘を結ぶコースの中間地点にある。これらの地域特性を点ではなく面で捉えながら、周辺観光地と連携したツアーを企画するなど、誘致に向けた取り組みを今後も行っていきたい。

 ――湯村温泉までの交通の選択肢も広がってきていると伺った。

 朝野 湯村温泉のハブは関西空港だけではない。羽田・成田空港から鳥取空港、空港からレンタカーで当館に訪れる来訪客も多く、30年に国際化する神戸空港を加えるとトリプルハブまで拡大する。インバウンドはアジア圏からLCCで関西空港を経由して訪れる方が多いが、兵庫県は富裕層の誘致にも力を入れている。湯村温泉にはヘリポートがあるため、プライベートジェットまたは神戸空港からヘリコプターを利用して訪れることも実現可能だ。当館でも、高付加価値補助金を利用して露天風呂と専用ダイニング付き和洋客室「湯籠里(ゆこもり)スイート」を5部屋改築し受け入れ態勢を整えた。これらの取り組みが観光活性の追い風になるよう期待している。

 

 

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山水荘(福島県土湯温泉)

23年に開業70周年を迎えた山水荘。荒川の清流がたたずむ自然豊かな環境にあり、約千坪の日本庭園も見どころ

露天風呂では勢いよく流れる二段の滝を目の前に四季折々の自然が楽しめる

強羅花扇(神奈川県・箱根温泉)

09年に開業した強羅花扇。館内は天然木の香りが漂う落ち着いた空間で、素足で過ごせる畳敷き

14年に開業した円かの杜。花扇グループでは最上級グレードの宿

館内は「木の美学」を徹底的に追求し、神代木、埋没木を惜しみなく使用

 

いなとり荘(静岡県・稲取温泉)

 

伊豆半島の絶景オーシャンビューが見どころのいなとり荘。料理は地元のキンメダイ料理が人気

季一遊は松林越しに弓ヶ浜を望める客室が特徴。静かな伊豆のリゾートが楽しめる

 

朝野家(兵庫県・湯村温泉)

温泉城(ゆのじょう)城主の末裔ならではの城造りの外観が特徴。圧倒的な存在感が漂う

23年春に開業した新客室「湯籠里(ゆこもり)」。おとなの隠れ宿をメインコンセプトに滞在の心地良さを追求した

 

 
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