【道標 経営のヒント 343】ウィスパー・ディッシュをぜひ 宮坂 登

  • 2022年8月31日

 国内の観光地でよく目にする「恋人の聖地」。いったいいくつあるのだろうかと調べてみたら、全国で137カ所、恋人の聖地サテライトが62カ所あるという。展開しているのはNPO法人地域活性化支援センターで、「少子化対策と地域の活性化への貢献」をテーマとした「観光地域の広域連携」を目的に「恋人の聖地プロジェクト」が推進されている。そのウェブサイトをのぞくと、認定された全国の恋人の聖地が写真入りで紹介されている。旅館・ホテル周辺の観光スポットにもなっているのだろう。

 旅館・ホテルの付帯施設にも、独自に「恋人~」と題した施設もあるから、その数はさらに多いと思う。宿における魅力ある施設づくりの一環であり、特にカップルを中心に多くのお客さまを招き入れたいという気持ちの表れだろう。

 集客のためのヒントとして、ある施設をここで紹介したい。宿周辺の恋人の聖地に頼るのではなく、宿内に設置できて話題を呼ぶであろうと思える施設である。その施設が置かれているのが、ニュージーランド南島のダニーデンのオタゴ博物館前広場。その名を「ウィスパー・ディッシュ」という。

 どんな施設かというと、巨大なパラボラアンテナが数十メートル離れて向かい合わせで置かれているだけのもの。利用法は、カップルが離れてそれぞれパラボラアンテナの前に立ち、そこに用意された小さなささやき口に向かって小声で話すだけ。するとその声が背中合わせで遠く離れている相手にちゃんと聞こえるという仕組みだ。パラボラアンテナが音を届ける役目を果たしている。

 どんなシーンで使えるのかというと、まず仲直りのシーン。面と向かっては言えないことでも、相手の姿を目にすることなく言えるから、お互いの気持ちを伝え合えば仲直りできる。実際、ダニーデンでもそんな活用法が人気だという。仲直りの秘密兵器になっている。次は告白。結婚したい気持ちがあってもなかなか切り出せないカップルが、ウィスパー・ディッシュを使ってプロポーズできる。恋人の聖地が、そこに生まれる。いかがだろうか。ウエディング施設を備えた宿であるならば、周辺の空きスペースに設置すればさらに話題づくりになると思う。

 発展的には宿の一般客にもアピールできる。子どもとの会話なら、子どもにとってはその不思議さが忘れられない出来事になる。もちろん、夫婦同士や友人同士などのコミュニケーションツールにもなる。その施設を目にしたら、きっとささやく相手が欲しくなる。

 
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