【道標 経営のヒント 170】電子しまぽ「東京島ファン」 行燈旅館館主 石井敏子


 東京旅館ブランド構築・発信事業の第2期がスタートした。今回は英語ホームページを登録している27施設を対象に各施設周辺の観光スポットなども撮影してSNS「インスタグラム」で発信していくことが計画の軸となっている。
観光はホテル・旅館だけの魅力では成り立たない。地域住民との連携、観光スポットの情報発信が欠かせない。外国人観光客にまだ知られていない魅力的な場所はまだまだたくさんある。

 その意味で今回初めての撮影場所が八丈島になったことは大変有意義なことだと思う。外国人観光客は東京から飛行機で55分のこのような自然があふれた場所も東京だとはまだ知らないであろう。私にとっても初めての場所となるので飛行機に乗る前からワクワクしていた。

 撮影施設は2カ所。八丈ビューホテルと八丈島パークホテルだ。今回は八丈ビューホテル宮代支配人にお世話になり、島内の観光地も案内していただいた。

 空港を出るとアロエの赤い花が沿道の壁にチラホラ咲き、フェニックスと共に南国の雰囲気が一気に別世界に連れていってくれる。「年間を通して八丈富士がきれいに見えない日が多い中、今日は珍しくきれいに見える」という支配人の言葉に、一緒に来たカメラマン、制作スタッフの女子2人も仕事で訪れたとはいえ、さらにテンションが上がってきた。

 最初に案内されたのは八丈富士の噴火の際に溶岩が流れ出た南原千畳敷海岸だ。真っ黒な玄武岩質溶岩がダイナミックな景観を作り出し、八丈島が噴火の際にできた島だとよく分かる。その後は2施設の撮影をして、末吉温泉「みはらしの湯」で海を眺めながら温泉に入り旅気分を味わった。

 次の日は陣屋跡(玉石垣)など古い町並みが残る大里を見学、その近隣にある八丈島で唯一、栽培から織りまで全て手作業で行っている「めゆ工房」のご主人に黄八丈の歴史、制作の仕方などの説明を受けた。最後は私たちが到着するわずか数時間前に鯨の潮吹きが確認された場所「足湯きらめき」で、絶景を見ながらしばしくつろいだ。

 チェックアウトの際には支配人に、スマートフォンで登録すると割引等の特典やサービスを受けることができる「電子しまぽ」を勧められ、割引サービス、お土産まで買うことができた至れり尽くせりの1泊2日の旅は、島のごちそうと共に私たちにとってぜいたくな忘れられない旅となった。

 行く先々で支配人が紹介してくれた島民の方が私たちを快く受け入れてくれたことで、島の人たちのつながり、温かさにも触れることができた。たくさんの写真と島の人たちの笑顔。電子しまぽのタイトルの中に東京11島、「東京島ファン」とあったが、まさしく私たち4人もすっかり「東京島ファン」と化した撮影旅行となった。

 
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