観光庁は17日、「県民割」事業の誘客対象を全国に拡大し、支援内容を刷新した新たな観光需要喚起策の概要を発表した。通称は「全国旅行支援」。感染状況を見極めた上で、都道府県を事業主体として7月前半から開始する。実施期間は、お盆などの最繁忙期は除いて8月末まで。
感染状況の悪化などに対して都道府県が事業の運用を判断できる「県民割」事業と、中小事業者や交通事業者への配慮、需要分散化を狙って制度設計した「新たなGo Toトラベル」事業を掛け合わせたような制度となっている。
割引などの支援水準は全国一律。割引率は40%、1泊当たりの割引上限額は、交通付き旅行商品で8千円、宿泊だけの場合などは5千円。飲食店などで使えるクーポン券の付与は平日が3千円、休日が千円。
財源は、「都道府県版Go Toトラベル」事業向けに確保していた国費約5600億円。すでに宿泊実績などを加味して都道府県に配分済み。これまで「県民割」事業などに充ててきた地域観光事業支援の予算約3300億円のうち残額も加える。
現在実施中の「県民割」事業の期間は7月14日宿泊分まで延長する。
GoToトラベル事業の予算は、都道府県に配分した予算と、繰り越しができず国庫に返納する予算を除いても、約2700億円が残る。9月以降、「新たなGo Toトラベル」事業を開始するか、7月前半に開始する「全国旅行支援」を延長するか、などは決まっていない。