前回に引き続き、人材や資金に限りのある中小旅館・ホテルでも取り組める、集客イベント企画の進め方を紹介しよう。地域のイベント・催事だけに頼るのではなく、自力で集客イベントを企画できるようになり、閑散期でも売り上げを安定的に確保できる館を目指そう。
5、集客イベントの結果を効果検証する
集客イベントはやりっぱなしにしてはいけない。実施後に中心メンバーを集めて、慰労会を兼ねてミーティングをしよう。
企画から実施までを通じて、良かった点、悪かった点とその根拠となる事実、データを共有することで、次回はよりレベルの高い企画を行う態勢を作ることができる。次のようなポイントについて話し合ってみよう。
広告チャネルごとの集客力(集客できた組数)、1組あたり集客費用
折り込み広告、SNS広告、リスティング広告(検索エンジン)などの広告チャネルごとに集客力、1組あたりの集客費用を推測してみよう。
それぞれの広告費が20万円、2万円、3万円、集客力が100組、50組、50組と仮定すると、1組集客するための広告費用は、折り込み広告2千円、SNS広告400円、リスティング広告600円と計算することができる。集客の構成比をつかむためには、「このイベントを何でお知りになりましたか?」という質問を入れた簡単なアンケートを来館者に答えてもらえば良い。
計算結果に基づいて、広告の費用対効果や内容、デザイン、出稿のタイミングが妥当だったか話し合ってみよう。分析の結果、「広告の内容は大変魅力的だったが、農繁期や学校の行事の時期と重なったために集客はイマイチだった」ということが分かれば、次回は開催時期に注意するという示唆が得られる。
「想定以上の集客につながった」ということであれば、集客効果が高かった広告チャネルの予算を増額するとともに、次回の開催期間を延ばして宿泊売り上げアップにつなげよう。
次回も引き続き、集客イベント企画の進め方を紹介しよう。
(山田ビジネスコンサルティング事業企画部部長)