【逆境をチャンスにー旅館の再生プラン 654】連泊型旅館への転換〈1〉 青木康弘


 施設の高付加価値化やインバウンド個人客の集客を進めていくにあたって、今後取り組みを強化したいのが連泊客への対応である。これまで旅館は連泊客の対応を苦手としていた。しかし、旅先での過ごし方が大きく変革するなかで、1泊2食の運営形態に固執しすぎるとお客から選ばれなくなる可能性がある。今回のコラムでは、高単価の連泊客に選ばれる施設になるためのポイントを紹介したい。

 (1)夕食提供にこだわらない

 1泊朝食や素泊まりを売ると、売り上げダウンになると心配する施設が多いが、連泊客は離島のリゾートホテルでない限り夕食に期待しているわけではない。むしろ和食中心で量の多い会席料理を苦手とする旅行者もいる。1泊目は旅館で夕食をとるにしても、2泊目以降は外のレストランを選択するだろう。

 連泊客対応で強化していきたいのが朝食だ。夕食ではぜいたくな食材を使い、手の込んだ個性的な料理を提供するが、朝食は既製品ばかり使った、手を抜いた料理を提供する旅館は少なくない。朝食はリゾートホテルとも比較されやすいので、こだわった方が旅慣れた連泊客の評価は高まるだろう。

 (2)連泊客の滞在エリアをつくる

 旅館でありがちなのが、日中館内が薄暗いということだ。チェックアウトからチェックインまでの間は、清掃や次の宿泊客のための準備、スタッフの休憩時間と考える施設が多い。そのため連泊客が館内に滞在していても、大浴場が清掃中だったり、ラウンジの照明が落とされて使えなかったりということになる。ラウンジをスタッフの休憩スペースに使っている施設もある。

 連泊客を強化していくならば、日中ゆったりと過ごしてもらうスペースを作ると良い。できれば自然採光の取れるエリアで客席を十分空けたりパーティションを設置したりするなどしてプライベート感に配慮すると良い。コミックやゲーム、無料のドリンクコーナーを設置すると喜ばれるだろう。

 (アルファコンサルティング代表取締役)

 
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