【逆境をチャンスにー旅館の再生プラン 633】平凡な施設の集客法6 青木康弘


青木氏

 前回に引き続き、平凡な施設をいかに魅力的な施設に変えていくかについて説明したい。コンセプトを明確化して差別化を図るというのが良いとされているが、個性のはっきりした施設は少数だ。多くの経営者は、自社の施設は平凡で特色なく集客しにくいと悩んでいる。

 一般客室の売れ行きが伸び悩んでいる旅館・ホテルは多い。露天風呂付き客室は高稼働なので一見すると好調に見えるが、一般客室の売れ行きがふるわず、結果的に施設全体では赤字続きとなっている。補助金を使って改装を仕掛けたいところであるが、銀行は貸し渋るようになり、抜本的な手立てを打つことができない状況にある。

 このような場合は、自社の一般客室がどのような位置づけなのか、客観的にチェックして対策を講じることをお勧めする。自社の一般客室の写真と近隣の施設の写真を並べて比べてみてほしい。皆さまの施設は他と比べて、はっきりとした特徴が見られるだろうか。多くの場合似たり寄ったりで、一般消費者には見分けがつかない。

 もちろん、地元をよく知る経営者にとっては、うちの方が面積は広く、築年数も浅いと主張したくなるだろう。しかし、消費者は写真と口コミにより直感で判断する傾向にある。一見して明確な違いがなければ、同じような施設と認識されることになる。

 市況が良ければ、どこの施設もそろって高稼動を維持できるが、現在のように限られたパイを取り合う場合には、似たような一般客室を持つ施設は過当競争に巻き込まれ苦戦することになる。

 他施設の一般客室と差をつけるために、費用のかからないものから取り組んでみよう。まずは、写真の写し方である。客室全体を入れた明るい写真は他の施設と似たものになりがちだ。また、畳部分の多い一般客室はのっぺりとした印象を与えてしまう。あえて撮り方やアングルを変えてみよう。

 例えば、夜照明を少し暗くしたり、アングルを変えたりして撮ってみよう。広縁にセンスの良い家具を導入して、そこだけ撮影しても良い。少し予算ができたら、縁のない畳に変更したり客室内の家具を交換したりしよう。ちょっとした差で構わないので、近隣の一般客室と見た目が少し異なり印象に残る客室となるよう工夫したい。

 (アルファコンサルティング代表取締役)

 
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