【逆境をチャンスにー旅館の再生プラン 430】すぐできるプールの活用法2 青木康弘


 前回に引き続き、最小限の追加費用でプールを集客に結び付けるためのポイントを紹介しよう。プール設備を有効活用して、初期投資と維持費に見合った成果を上げよう。

5、清掃のタイミングを事前に決めておく

 清掃による営業休止のために発生する顧客クレームを懸念して、プール利用券付きプランを販売することを躊躇するケースがある。屋外型プールは台風などの影響により翌日利用できなくなることがあるので特に配慮が必要だ。

 このようなリスクに備えるために、プール清掃日(営業休止日)を事前に決めて、お客さまに事前アナウンスしておこう。また、突発的に営業休止せざるを得ない時のために、プール利用券はプランの無料特典として組み込んでしまい対価が分からないようにしたり、館内利用券に交換できたりといった対応策を決めておこう。

6、プール以外のアクティビティも充実させる

 中間時間帯に営業しない旅館が夏季限定でプールのみ営業すると、お客さまは日中の過ごし方に不満を持ちやすい。お客さまを飽きさせないようにプール以外のアクティビティも充実させよう。

 プールサイドや敷地に余裕があるならば、ラウンジベッドやハンモック、テント、カフェコーナー、バーベキュー設備を設けると良いだろう。人繰りがつかないために夕食会場以外で食事提供できないのであれば、ランチ時間帯のみセルフ形式でバーベキュー営業しても良い。

7、プールサイドを用途に合わせて区分する

 プールサイドが狭いならば、用途に応じてエリアを区分すると良いだろう。プール利用客向けにはラウンジベッドを配置してバスタオルで場所取りしてもらうと良い。幼児用プールを隣接すればファミリー客を区分することができる。バーベキュー客向けには椅子テーブル、スタンディングテーブルを用意すると良いだろう。

8、既存設備を有効利用する

 プール自体は立派であるものの、更衣室などの付属設備がない旅館も散見される。このような場合は、宴会場や大きめの客室を更衣室として臨時に提供しよう。安価なもので構わないので鍵のかかるロッカーも用意しておきたい。

(アルファコンサルティング代表取締役)
 

 
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