【逆境をチャンスにー旅館の再生プラン 415】求人票の作り方2 青木康弘


 前回に引き続き、採用活動を円滑に進めるための求人票の作り方を説明しよう。求人票は仕事内容、給与、待遇、賞与、昇給、転勤、社会保険、勤務時間、休日・休暇、福利厚生、残業時間、有給取得実績、教育研修制度の13項目で構成するのが一般的である。

 この作成法を実践して新卒採用に成功したと喜びの声もいただいている。皆さまの旅館・ホテルでもぜひ取り組んでほしい。

4、賞与

 旅館・ホテル業界は賞与を払うことが習慣化されていないが、支払いがないと採用活動には確実に不利となる。他社が払っていないから当社もいいだろうと考えるのではなく、他業界と奪い合いになっていることを考慮したい。文例としては、「年2回(7月・12月)、業績により決算手当あり」などが挙げられる。賞与の目安であるが、夏・冬の賞与合わせて月給の1・5カ月分以上を目標としたい。

5、昇給

 30代のスタッフの給与をいくらにすべきか検討し、初任給との差から逆算して20代の昇給幅を決めると良いだろう。20代後半からは、結婚や出産、育児というイベントがあるため、昇給ペースが遅いと退職者が相次ぐ原因となる。文例としては、「年1回(4月)」などが挙げられる。

6、転勤

 求職者の中には転勤があったらどうしようかと漠然と不安を感じる人がいるので転勤の有無について明確に示しておいた方が良い。当社は単館経営だから転勤はあり得ないというのは自分たちの常識であって、求職者の常識ではない。正確な情報を提供することをおすすめする。文例としては、「転勤なし」または「転勤あり(熱海、湯河原、箱根)」、「転勤あり(全国)」などが挙げられる。

7、社会保険

 加入していない旅館・ホテルはないと思うが、情報は求人票に詳しく掲載した方が良い。業界に対して古いイメージを持っている人の中には、社会保険に加入できないと思っている人が少なからずいる。

 社会保険完備というのは無駄にならない情報である。文例としては、「社会保険完備(健康保険、厚生年金保険、雇用保険、労災保険)」が挙げられる。

(アルファコンサルティング代表取締役)

 
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