【逆境をチャンスにー旅館の再生プラン 411】女性が働きやすい職場2 青木康弘


 前回に引き続き、女性に焦点を当てて、働きやすい旅館・ホテルにするための具体的な対策について紹介しよう。
 長時間労働を是とする旧態依然とした考え方や、独特の労働慣習にとらわれていることが、スタッフの採用や定着化を妨げている。親の介護をきっかけに離職や休職する男性も増えてきている。女性にとって働きやすい旅館・ホテルを目指すことで、男性やシニア、若者にとっても働きたい会社にすることができるだろう。

 3、職場復帰プログラムを作る

 休職後の復帰をスムーズに行うために、職場復帰プログラム(要綱)を作成しよう。古い体質の職場だと、育児や介護によるブランク後に復職するのは心理的抵抗が生まれやすく、職場になじめず結局退職してしまうというケースは少なくない。復職しにくい雰囲気をあらかじめ感じ取って、結婚や出産、介護を機に退職してしまうという人もいる。

 本プログラムを作ることで、いつでも職場に戻れるという安心感を持つことができるだろう。また、どのように受け入れるべきか上司、同僚、部下に事前に周知することで受け入れ態勢を作ることができるだろう。

 4、ジョブローテーションを定期的に実施する

 子どもが小さいうちは勤務時間帯が制約されがちだ。そのため、業務分担に融通を持たせやすいように複数の業務ができるようになっていた方が好都合である。例えば、フロント業務以外に総務や営業企画の経験があれば、日中の時短勤務でも十分な戦力になってくれるだろう。

 副次的効果としては、ヘルプが頼みやすくなり、社内の効率化が進む。スタッフにより適性があるので、定期的なキャリア面談は必要となる。この機会にジョブローテーションの規程を作ってみよう。

 5、年間休暇カレンダーの導入

 既婚女性が旅館・ホテルのようなシフト制の職場で働くと、家族との休暇が合わず、夫や子どもから否定的な感情が生まれがちだ。家族の応援や納得がなければ働き続けることは難しい。家族との休暇の日程を合わせやすくするために、年間休暇カレンダーを導入しよう。

 あらかじめ連続休暇を取る日を決めておけば、家族も休みを合わせやすく、旅館・ホテルで働き続けることを応援してくれるだろう。

 (アルファコンサルティング代表取締役)

 
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