自治体が情報発信拠点として東京都内に開設してきたアンテナショップが曲がり角を迎えているといわれる。新型コロナウイルス禍で来場者が減り、売り上げが減少。インターネットで地方の特産品が手に入りやすくなっており、なにより高額な賃料が重荷になっているようだ。
地域活性化センターの「自治体アンテナショップ実態調査報告」によると、都内で営業している地方自治体アンテナショップは、2022年4月1日現在で独立店舗は59店舗、商業施設などの一部に併設されている集合型店舗は8店舗あり、21年と比べそれぞれ3店舗、1店舗減った。
21年4月以降では、「丘のまち美瑛」(北海道美瑛町)や「産業観光プラザ すみだまち処」(東京都墨田区)、「坂井市アンテナショップ」(福井県坂井市)などが閉館している。
2008年に歌舞伎座に近い銀座5丁目にオープンした群馬県の「ぐんまちゃん家」。
愛らしいキャラクター・ぐんまちゃんを前面に出し、定期的に市町村をPRするサロンを開くなど、情報発信拠点機能をいかんなく発揮。18年に銀座7丁目に移転し、レストラン店を併設したものの、コロナ禍で、来場者数や売り上げの減少などもあって、昨年12月に閉店した。
観光協会関係者は「大消費地に(県内自治体の)魅力を発信できる場であり、閉店はとても残念だ」とし、惜しむ声は少なくない。
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