新型コロナに関する水際対策の大幅緩和や全国旅行支援で、観光地や繁華街は人出が増え、コロナ禍前のにぎわいを取り戻しつつある。旅行支援の使いにくさはともかく、旅館関係者からは「年末年始も満室に近い予約が入っている」と明るい声も出ている。
しかし、急激な人出の増加で受け入れ態勢が整わず、人手不足が顕在化している。
帝国データバンクによると、9月時点の旅館・ホテルの人手不足の割合は、正社員では62.5%(昨年9月は28.3%)、非正社員では62.3%(同13.6%)となり、高水準にある。
旅行支援の開始により、観光関連業種の7割超が「自社にプラスの影響がある」と答えた一方で、「人手不足で思うように需要が取り込めないのでは」「人材がおらず、旅行者の受け入れ対策に課題がある」など不安を感じている声が多かったという。同社は「観光業界の回復が望まれる中で、人手不足がボトルネックとなる懸念が生じている」と指摘する。
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