【観国之光 329】食品ロス削減 コロナ禍でも対応可 本社論説委員 内井高弘


コロナ禍で食品ロス発生量が減っているという(写真と本文は関係ありません)

 まだ食べられるのに捨てられる「食品ロス」の最新の推計値が農林水産省から発表された。それによると、2018年度は国内で年間600万トンとなり、前年度より12万トン減少した。

 内訳は、企業の売れ残り商品など事業系が324万トン、一般家庭での食べ残しなど家庭系が276万トンで、前年度と比べそれぞれ4万トン、8万トン減っている。

 同省によると、食品ロス量および事業系ロス量は、食品ロス量の推計を開始した12年度以降最少となっているが、国民1人当たりでみると、1日約130グラム(茶わん約1杯のご飯の量に相当)、年間では47キロ(年間1人当たりの米の消費量)が捨てられている。

 減少していることは評価されるが、国が示している30年の削減目標(00年度の980万トンと比べて半減させる)にはさらに2割ほど減らす必要があり、国は取り組みを加速させるという。

 新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、外出自粛や飲食店の利用を控える動きがあるが、食品ロスにも影響を与えているようだ。

 同省は昨年12月から今年1月にかけ、食品事業者に対してコロナの影響による食品ロス発生量についてのアンケート調査を実施。

 その結果、食品産業全体では「変わらない」が57%、「減った」は26%、「増加」が9%だったが、外食業に絞ると「減った」が66%に上った。休業や時短の影響のほか、食べ残しが出やすい宴会の減少などが理由とされる。野上浩太郎農水相は「外食産業ではコロナの影響で食品ロスの発生量が減少している可能性があると推測される」とする。

 食品ロスは宿泊施設からも出ているといわれるが、コロナ禍で宿泊客や宴会が減っている中、発生量も減っているのではないかと思う。が、需給が急変すれば増加につながる可能性もあり、手放しでは喜べない。

 石川県は食品ロスを削減するため、宿泊施設や飲食店などで取り組みやすい事例をまとめたパンフレット(A4版8ページ)を作り、配布している。

 例えば、金沢彩の庭ホテルでは作った料理を余すことなく提供できるよう工夫。

 朝食時、大皿から小鉢によるカフェテリア方式に変更したところ「食べきれる量がイメージしやすいためかお客さまの食べ残しが減った」という。また、余った料理を活用して弁当を作り、割引価格で提供。こうした取り組みで、食品ロスを10%ほど削減した。

 毎年10月は「食品ロス削減月間」、10月30日は「食品ロス削減の日」に当たる。コロナ禍で食品ロスどころではない、という宿泊施設もあるだろうが、どこか頭の片隅にとどめておきたいものだ。   

コロナ禍で食品ロス発生量が減っているという(写真と本文は関係ありません)

 
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