【観国之光 290】コロナ禍の自然災害 先回りして対応を 本社論説委員 内井高弘

  • 2020年5月26日

コロナ禍の状況下、自然災害が起こった時にどう対応するか、検討、準備が必要だ(写真と本文は関係ありません)

 新型コロナウイルス禍に伴う緊急事態宣言が14日、8都道府県(北海道、東京、神奈川、千葉、埼玉、大阪、兵庫、京都)を除く39県で解除された。感染者数も徐々に減っており、収束の兆しも見えつつあるが、油断はできない。

 解除された地域では社会経済活動の再開に向け動き出しているが、観光の本格回復にはまだまだ時間がかかりそうだ。営業を再開した宿泊施設では、利用客を県内在住者に絞ったり、県民限定の宿泊プランを打ち出したりしている。感染拡大の第2波への不安は拭えない。

 コロナは高温多湿の環境下では活動が低下するといわれており、その意味では梅雨が待たれるところだ。が、同時に台風の時期が近づいているだけに、災害が起きた場合の避難の在り方が問われる。

 コロナ禍が収束する前に大きな水害や地震が起きたらどうなるか。もしもの事態に備えて検討、準備しておく必要があるだろう。特に心配なのが避難所だ。体育館のようなところに多くの人が集まり、生活を共にするだけに、感染リスクは極めて大きい。

 内閣府や消防庁、厚生労働省などは4月7日、可能な限り多くの避難所の開設や、感染者への対応を事前に検討しておくことを求める通知を自治体に発出、対策の徹底を呼び掛けた。

 多くの避難所の候補として挙げているのが旅館・ホテルで、「活用等も検討すること」としている。災害時の避難場所として、旅館・ホテルはこれまで何度も利用され、多くの人の命を救ってきた。しかし、今回は事情が異なる。コロナウイルスというやっかいな敵も相手にしなければならず、受け入れに当たっては細心の注意が必要だ。

 旅館・ホテルだけの対応では限界がある。国は具体的なマニュアルを示し、受け入れに手を挙げた旅館・ホテルには資金面での支援なども考えてほしい。

 苦境に立たされている旅館・ホテルの中には、少しでも収入を確保しようと、料理などのテークアウトに取り組むところが増えている。旅館料理を手軽に味わえるとあって人気のようだ。

 ここで気をつけてほしいのが衛生管理の徹底だ。テークアウトの弁当が食中毒の原因にならないとも限らない。いったん食中毒を起こせば業務停止ばかりか、信用も失墜する。梅雨に入るこれから、湿度も高くなり、菌が繁殖しやすくなる。提供後、食べてもらう時間にも気配りしてほしい。

 コロナ禍、台風、食中毒、そして最近頻発する地震。取り巻く環境は厳しいが、先回りして、対応してほしい。明けない夜はない。


コロナ禍の状況下、自然災害が起こった時にどう対応するか、検討、準備が必要だ(写真と本文は関係ありません)

 
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