【観国之光 260】日韓関係 観光への影響を懸念 本社論説委員 内井高弘

  • 2019年8月9日

日韓関係の悪化が観光に影響しないよう、冷静な対応が求められる(東京・秋葉原)

 日本が韓国向け半導体素材3品目の輸出規制を強化したことを受け、日本と韓国の関係が険悪になっている。「戦後最悪の状況」という声もあるほどだ。

 韓国内では日本製品の不買や日本への旅行を取りやめる動きが広がっており、日韓の相互交流にも暗雲が立ち込めている。何とも残念である。

 ネット上には日本への旅行を中止したと証明する書類の写真がアップされるなど、日本に対する厳しい姿勢を誇る姿も見られ、正直「そこまでするか」と思う。

 JNTOによると、今年上半期(1~6月)に訪日した韓国人観光客は前年同期比3.8%減の386万人となり、5年ぶりに減少に転じた。台湾(1.0%減)や香港(1.1%減)なども減っており、韓国人客の減少は日韓関係の悪化によるものと決めつけるのは早計だ。

 徴用工やレーダー照射問題などの影響も全くないとはいえないだろうが、今後訪日旅行のキャンセルが本格化すると、観光立国の動きに影を落としそうだ。

 石井啓一国土交通相は7月16日の閣議後の記者会見で、日韓関係が悪化していることについて、「現時点で全体として大きな影響はないと認識しているが、今後、韓国世論の動向によっては訪日旅行を控える動きが生じる可能性は否定できない。動向を注視している」との認識を示した。

 また、「日韓間にはさまざまな課題があることは承知しているが、観光交流は未来志向の日韓関係の基盤だ。引き続き交流拡大に努めていく」と語った。

 韓国からの観光客が多かった鳥取県では「はっきりと減っている。ほとんど見かけない」という県民の声がニュース番組で流されていた。影響はジワリと出ている。

 前述のニュース番組は韓国人旅行者にも取材しており、「(両政府とも)冷静に考えるべき」「政治家たちの問題で、一般人の関係は悪くないと思う」との声も紹介されている。政治とは無関係な人の率直な思いであり、われわれも冷静に対応すべきだ。

 報復の応酬が激しくなればなるほど日韓関係は修復が困難になる。感情的になるのも分からないではないが、冷静に着地点を探る努力も必要だろう。「文在寅大統領がいる限り、関係修復は難しいだろう」との指摘もあるが、首脳同士の意思疎通以上の解決策はないような気がする。

 観光立国、観光先進国を標榜(ひょうぼう)する日本にとって、今の関係がいいはずはない。半年で400万人弱の韓国人が訪日している事実は重い。年間の相互交流は1千万人を超える。

 嫌韓・反日をあおる一部の声に惑わされてはいけない。


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