【観光業界人インタビュー】観光立国調査会会長 山本幸三議員

  • 2013年2月9日

観光立国調査会会長 山本幸三議員

観光立国調査会の運営

4月までに中間答申を 二階氏を顧問に迎える

──自民党観光立国調査会会長の打診があったのはいつですか。

 「1月15日の党総務会で設置が正式決定したのだから、確かその2〜3日前に高市早苗政調会長から話があった。安倍晋三首相は『地域活性化には観光が重要なポイントになる』とかねがね言っており、観光に対する関心もことのほか強い。そうした首相の意向を受けての設置と認識している。海外経験(米・コーネル大留学、ハーバード大客員研究員)を買われての起用ではないかと思う」

──大蔵省出身ですが、観光との接点は。

 「役人時代の1973年にコーネル大の経営大学院に留学した。ご存じのように、コーネル大はホテル経営大学院が有名で、ここを卒業したホテル・レストラン経営者も少なくないと聞く。私もワインの授業を聴講した経験もある。非常に有意義な時間を過ごし、帰国してからは日本にもコーネル大のようなホテルスクールを作りたいと思った。実際、政治家になった時にコーネル大の教授を招き、毎年泊りがけ、2〜3泊の日程でセミナーをやっていた。開会式には二階俊博先生にあいさつをしていただいた思い出がある。その後6回程度開いたが、景気の悪化とともに参加者も減り、結局、立ち消えになってしまったが(笑い)」

 「また、大臣官房企画官当時、政府が南太平洋島しょ国とのネットワーク強化を打ち出し、現状を探ろうということになった。そのメンバーの一員になり、5〜6人で島々を視察したことがある。これが現在の『太平洋・島サミット』につながっている。当時のメンバーの中に今の観光庁長官、井手憲文さんがいた。井手さんとはそれからの付き合いで、調査会を運営する上で、非常に心強い」

──調査会のメンバーは決まりましたか。

 「これからだ。人選は基本的には政調がやることになるだろう。観光と言えば、党内では何といっても二階先生だ。二階先生の協力を得なければスムーズにことが運ばない。顧問で入っていただきたいと思っている」

──どういった視点から運営を。

 「安倍内閣はデフレ脱却や雇用確保などを掲げているが、観光をこれら政策にどう結びつけていくかという切り口で臨む。また、日本には外国政府の観光機関も多数あるが、これら機関と連携を強め、訪日外国人観光客の増加を図れればと考えている。農業と観光とのコラボレーションなど、新しい視点で観光を見つめたい」

───調査会のこれからのスケジュールはどうなっていますか。

 「政調の方からは4月までに中間報告を出してくれと言われている。骨太方針に盛り込み、夏の参院選の政権公約に入れると聞いている。あまり時間がない、集中的に審議していく」

──先生の地元、福岡は中国や韓国からの観光客も多いと思いますが、現状はいかがですか。

 「特に、中国については尖閣諸島の問題で客足はパタリと止まった。大きなお金を落としていただけに、地元への影響も大きい。国際観光はリスクがある。市場を拡大し、リスクを分散させるべきだろう。観光庁も軸足を東南アジア諸国連合(ASEAN)などに移しているようだが、賢明な判断だと思う。一定の国に依存するのは避けなければならない」

──観光による東北の復興も課題ですね。

 「もちろんだ。復興の歩みは決して早くない。観光でどういった後押しができるのか、調査会の大きなテーマとなる」

──旅行は好きですか。

 「もちろん。時間があれば世界の美術館を回りたいね。年に1回は海外に行き、美術館巡りをするのが恒例となっており、とても楽しみにしている。考えてみれば、これもツーリズムの一つではないか。日本の美術館はどうも作品を出し惜しみしているきらいがある(笑い)。人の目に触れてこそ価値があるのだが。もったいない話だ。美術作品を体系的に見せるツアーがあってもいい。美術作品が好きな人は飛びつくだろうし、それなりの需要もあるのではないか」

【やまもと・こうぞう】
東大卒、1971年大蔵省(現財務省)入省。福岡国税局直税部長、大臣秘書官などを経て、1991年から九州国際大講師。93年衆院議員初当選。経済産業副大臣、自民党政務調査会副会長、党総務会副会長など歴任。福岡10区、当選6回。北九州市出身、64歳。

観光立国調査会会長 山本幸三議員

 
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