パーフェクトビュー社長 山本浩史氏
選んで納得して買う時代だ
日本初の部屋指定サイト
イタリアなど欧州全域の地上手配会社「パーフェクトアイズ」の関連会社、パーフェクトビューは、日本で初めての部屋指定宿泊予約サイト「ビューキャン・ドットコム」を5月8日に開設する。
──既存の宿泊予約サイトと何が違うのか。
「今までの宿泊予約のサイトはすべて宿泊プランごとでの予約しかできない。決められた定食メニューから選ぶのと同じだ。ビューキャン・ドットコムでは利用者がオーダーメード感覚で部屋や料理などを自由に組み合わせて選ぶことができる。その施設が提供できるすべてのアイテムの中から利用者が自由にチョイスをする」
「眺望のよい部屋、特別室、有名作家が執筆した部屋など、各旅館・ホテルの中で特徴のある部屋を登録してもらい、販売する。特定の部屋指定でも部屋タイプの指定でも設定できる」
「今までは販売側の押しつけだった。選んで十分に納得してから買う。これが今後の消費トレンドだと思う」
──どんな利用者層を想定しているのか。
「富裕層の平日利用や、若い人でもこだわりを持った旅行客が対象になる」
──高単価の客層を狙う考えか。
「価値観にお金を払う層だ。一休の客層に近いと思う」
──部屋指定サイトの発想はどこから出たのか。
「イタリアを中心に欧州の地上手配を長くやってきた。ヨーロピアンスタイルのホテルは部屋タイプがばらばらで5つ星ホテルでもクレームになることがある。部屋の様子を事前にすべて見せて、納得したうえで予約してもらう必要があると考えた。利用者の期待外れをなくしたいと思った」
──どのようにして部屋を見せるのか。
「部屋ごとに最低10枚から20枚の写真をサイト上で展示ギャラリーのように見せる。“パーフェクトビュー”で選んでもらう」
──海外ホテル予約もやるのか。
「サイト開設までに国内で旅館200軒、ホテル100軒を目標に参画をお願いしていく。最終的には旅館2千軒、ホテル1千軒にしたい。10月にはイタリア主要5都市のホテル200軒の予約も可能にする計画だ」
──施設側の登録作業がかなり複雑になるのではないか。
「初期登録作業は弊社がサポートする。1泊2食付きのみでの販売設定もできる」
──手数料は何％か。
「システム使用料として3％から8％をいただく」
──なぜそんなに幅があるのか。
「選べる項目を多く設定するほど高単価になりやすい。その場合は手数料率を低く設定する」
──参加施設に客室登録義務はあるのか。
「ない。ただ施設様にとってはおもしろいサイトだと思う。既存サイトとちがい、表示する字数に制限を設けないし、レイアウトもかなり自由にできる。のせたい情報は即時アップできる。サポートはするが、基本的にはサイト運営を全て施設側にゆだねる」
──宿泊サイトは乱立状態。新規参入で認知度を高めるのは難しいのではないか。
「SEO（検索エンジン最適化）対策だけでは追いつかない。夏から秋にかけてテレビでスポット広告を打つ」
──販売目標は。
「キーワードは『こだわり』と『価値観』。『高級』がコンセプトの一休の数字を目標としたい」
【やまもと・ひろし】
47歳。82年に欧米地上手配会社のTCI に入社。93年、欧州地上手配のランドアイを創業。04年、パーフェクトツアーと合併。05年12月、パーフェクトビュー設立。
