【観光の学校特集】社会人教育も充実 東洋大学

  • 2019年7月2日

森下教授

 東洋大学の観光教育の歴史は日本で最も古い。1963年、東洋大学短期大学に観光学科を創設。2001年に4年制の学科として、国際地域学部国際観光学科を設置した。17年4月、同学科を発展的に改組し、「国際観光学部」を開設。50余年の歴史を経て、学部に昇格したことになる。

 訪日外国人旅行客の急増など国際化が進む日本の観光市場。国際観光学部では、産業と政策の両分野で即戦力となる実務能力を身に付け、観光立国・日本に貢献できる人材を育成する。

 同学部の就学キャンパスは東京都文京区の白山キャンパス。入学定員は366人だ。

 教育プログラムは5コースで構成。「ツーリズムコース」「エグゼクティブマネジメントコース」「サービスコミュニケーションコース」「観光プロフェッショナルコース」「観光政策コース」を設置している。

 ツーリズムコースは大手旅行会社や鉄道、航空会社、エグゼクティブマネジメントコースはホテルやブライダルのマネジメント職、サービスコミュニケーションコースは航空会社やホスピタリティ産業への就職を想定。観光政策コースは観光行政・DMOを目指す。働きながら観光学全般を視野に学びを深める観光プロフェッショナルコースでは、午後3時ごろから大学で学べる環境を用意している。

 1年次には、学生全員が海外研修に参加し、海外諸国の社会や文化に深く関わる観光資源や観光開発への理解を深める。

 18年には大学院国際観光学研究科国際観光学専攻に博士前期課程・博士後期課程を開設。研究分野の充実も見逃せない。

 来年20年に開設4年目の完成年度を迎える同学部は、国際地域学部国際観光学科の時代から就職に強い。特に旅行・宿泊・交通機関といった観光産業には50%以上が就職し、同学部での学びを社会で生かしている。また、21年度に向けてカリキュラムのさらなる改革も着々と進んでいる。

◇   ◇

 東洋大学は、社会人教育にも力を入れている。観光庁が実施する「産学連携による観光産業の中核人材育成・強化事業」を17、18年度に受託。「ホスピタリティ産業における女性活躍と組織づくり講座」と題し、観光・ホスピタリティ産業で、総支配人や若女将などのマネジャー層や経営層を目指す女性や、女性の活躍の場を広げたいと考える企業の経営層、ホスピタリティ産業の関係者をターゲットとした講座を実施した。

 2年間の同受託事業で蓄積したノウハウを基に、19年度は、観光産業・行政に携わり、自身のスキルアップを目指す女性のための教育プログラムを東洋大学の公開講座として実施する計画だ。

 また、東京都との産学連携による「観光経営人材育成講座」も今年で実施2年目を迎える。

 国際観光学部の森下晶美教授に同事業などについて聞いた。

 ――事業の概要は。

 「東京都が、観光関連事業者の経営力向上を図り、観光産業の活性化につなげることを目的に、大学などと連携して実施する教育プログラム。本学は、『インバウンド観光振興に対して地域や企業の中でリーダーとして担うことができる人材の育成を目的とした教育プログラムの開発』として受託した」

 ――具体的な内容は。

 「受講対象者は、都内に在住あるいは在勤の方で、地域の観光振興組織・観光産業に在籍する方。募集定員は約30人で受講料は無料だ。土曜日に6回、全17コマの講座を行う。東洋大の教員だけでなく、行政、DMO、シンクタンク、旅行会社、シティホテルなどの方が講師を務める。全ての講義の後にディスカッションの時間を設け、最終日には各自の課題発表も実施する」

 ――過去の観光庁・東京都と連携した人材育成講座の成果は。

 「受講生は、各組織の中核人材、またはその候補者。受講生同士のネットワークが生まれ、新たなビジネス展開も起こりつつあるようだ」

 ――公開講座は女性活躍に焦点を当てている。

 「観光・ホスピタリティ産業は、女性労働者比率が高いが、管理職に就く割合は低い。見方を変えれば、女性の管理職への登用の余地は大きい。食と住に深く関係するホスピタリティ産業では、女性の感性を取り入れることは極めて重要だ」

 ――社会人教育に注力する理由は。

 「本学創立者である井上円了先生の建学の精神の一つが『開かれた大学』。産官学連携活動として、広く社会人向け講座を積極的に開講してきた。また、103年前に日本の私立大学として初めて女子の入学を許可するなど、男女共同参画についても伝統的に取り組んできている学校だ」

 「国際観光学部は、『理論と実践』の融合をミッションに掲げている。そのため、実業界出身の教員数が多いのも特徴だ。学部では、観光・ホスピタリティ産業界にこれから携わる人材を育成しているが、受託事業・公開講座等では、現在業界に従事する方々を将来の観光の中核を担う人材へと育成する。観光産業を日本の基幹産業の一つと位置付け、将来さらに高いレベルの観光立国を目指すために、産官学で連携した取り組みで積極的に貢献していきたい」


1年生全員参加の海外研修。18年度は台湾で実施

森下教授

東洋大学

国際観光学部 | 東洋大学 入試情報サイト

 


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