【竹内美樹の口福のおすそわけ 362】骨付鳥を再現してみよ~う!~前編~ 宿泊料飲施設ジャーナリスト 竹内美樹

  • 2021年4月16日

竹内氏

 骨付鳥って何?という方のために解説すると、うどん県こと香川県の名物料理である。同県観光協会公式サイトにも「讃岐うどんに次ぐ、ご当地グルメの極み!」と紹介されている。

 誕生の地丸亀市では、産業観光課が中心となって、同市のイメージアップと地域活性化のため、「とり奉行骨付じゅうじゅう」というマスコットキャラクターを起用してPRに努めている。その力の入れようはハンパなく、「うどん県骨付鳥市に改名しよう!」などとぶち上げるほど。丸亀と言えば讃岐うどんの全国チェーン店「丸亀製麺」を連想してしまうが、実は丸亀市とはまったく無縁であることは有名な話。この骨付鳥こそ、同市を代表するご当地料理なのだ。

 讃岐うどんと骨付鳥は、補完関係にある。讃岐うどん巡りは同県観光の目玉だが、人気店の多くが朝開店し、麺が売り切れ次第閉店してしまう。だが、骨付鳥ブームが訪れ、昼はうどん、夜は骨付鳥という観光スタイルが定着したのだ。

 このブームは、骨付鳥発祥の店「一鶴」が、大阪や横浜に出店したことに端を発する。同県以外でほとんど食べられなかった骨付鳥が、全国区のマスコミに取り上げられるようになり、コレをお目当てに訪れる県外客が増えたのだ。それに伴い骨付鳥を提供する店舗も増加、少々古いデータではあるが、地元民しか知らないディープな世界を紹介するテレビ番組「秘密のケンミンSHOW」で2014年に取り上げられた際は、専門店、居酒屋など約270店舗にものぼったようだ。

 前置きが長くなったが、一体どんな料理なのか? 読んで字のごとし、ズバリ、骨付き鶏モモ肉を焼いたもの。店によって違いがあるようだが、元祖、一鶴を例に挙げると、独自のスパイスで味付けし、300度以上になる特注の窯で焼くという。皮はパリッと香ばしく、ガブリとかぶりつけば肉汁があふれ出す。食感もうま味も異なる「おやどり」「ひなどり」の2種類があり、この二つに特化したメニューで勝負している。

 初めて食した時は、衝撃的だった。銀色のステンレスのお皿にドドンと載った骨付鳥に、肉のうま味がしみ出た熱々の「鶏油(チーユ)」がかかっていて、それをつけて食すキャベツがもれなく付いてくるのだが、ツウはサイドメニューのおむすびに、このウマイ汁を浸して食べるのだ! 肉と汁、まさに一粒で二度おいしい。

 たまに、突然食べたくなるモノってあると思うが、コレもその一つ。にんにくタップリでスパイシーな骨付鳥のトリコの筆者にとって、コロナでなかなか食べに行けないのはツライ。一鶴ではネットでお取り寄せも可能だが、冷蔵品をレンジアップする体裁になっており、どうしても皮がパリッとしない。レンチン想定だから、皮にしっかり焼き目がついているので、これ以上焼き直したら焦げてしまいそう。

 ならば、自分で作るしかない!ってワケで、一鶴の骨付鳥再現を目指し、いざ台所へ? 続きは次号で。

 ※宿泊料飲施設ジャーナリスト。数多くの取材経験を生かし、旅館・ホテル、レストランのプロデュースやメニュー開発、ホスピタリティ研修なども手掛ける。

 
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