【竹内美樹の口福のおすそわけ 338】おうちでBBQ♪♪ 宿泊料飲施設ジャーナリスト 竹内美樹


 先ごろ知人から、うちでは使わないからと、とても優秀なBBQグリルを頂いた。内部に電池で動く送風ファンがあるので、炭の着火が簡単な上、火加減も調整可能。オマケに無煙だからご近所迷惑にもならない。

 家族一同、BBQやってみたい♪というワケで、ホームセンターでテーブルと椅子をゲット、猫の額ほどの庭にセッティングし、いざスタート! 取説の指示通り着火剤を仕込んで火を付け、その上に炭の入ったコンテナを置けば、スグに炭が赤々と燃え始めた。

 まずは殻付きの赤エビ。背ワタを取り、焼き上がりが真っ直ぐになるように串を打った。塩を振って焼いただけでこんなにおいしいなんて、炭火ってエライ! 殻付き帆立貝は下処理済みの冷凍品だから超便利、バターとしょうゆをたらせばOKだ。小イカにはけでしょうゆを塗ると、しょうゆの焦げる匂いが食欲をそそる。う~んたまらん、日本人で良かった! でも、このままじゃ日本の炭火焼。大阪人が一家に1台タコ焼き器を所有しているがごとく、米国では一家に1台BBQグリルがあるというが、本場アメリカンスタイルにチャレンジしたい。

 BBQのルーツを調べてみると、かの探検家クリストファー・コロンブスが到達した、カリブ海に浮かぶイスパニョーラ島の先住民タイノ族の調理法「バルバコア」が起源らしい。肉に火が直接当たらないよう組み上げた木の上で、遠火で焼くという。それが各国に伝播した。スペイン語でBarbacoaはバーベキューを意味するが、メキシコでは、葉に包んだ肉を土の中に掘った穴で蒸し焼きにする料理を指すそうだ。

 北米大陸にどのように伝わったのかは分かっていないが、人類が火を使うようになってからは何らかの方法で食材を焼いていたのだから、やはり先住民が似たような調理法を行っていた可能性もある。

 難しいことはさておき、わが家のBBQ、真打ちとして登場するのは、やっぱりアメリカンなベイビーバックリブじゃなくっちゃ♪

 あばら骨付きの肉にはスペアリブとベイビーバックリブがあるが、前者はお腹のバラ肉側、後者は背中に近いロース肉側の部位で、スペアリブより小さいからベイビーと呼ばれる。決して子豚ちゃんではない。アメリカで人気のこの部位、日本では肋骨(ろっこつ)の間の肉もロースとして切り分けてしまうからあまり流通していないんだそう。でも、通販で入手可能だ。

 圧力鍋で蒸しておいたベイビーバックリブに、自家製BBQソースを塗って炭火で焼けば、かじってスグ骨から剥がれるくらいホロホロに軟らかく、うま味タップリたまらないおいしさ!

 締めはやっぱりニッポンの焼きおにぎり。しょうゆ和えおかか入りおにぎりに、さらにしょうゆを塗りながら焼くと、内側と外側からしょうゆの風味がして激ウマ。

 屋外の空気感も手伝って食欲爆発、野より山より腹広し! 新たな楽しみを見つけた筆者である。今度は何を焼こうかなぁ♪

 ※宿泊料飲施設ジャーナリスト。数多くの取材経験を生かし、旅館・ホテル、レストランのプロデュースやメニュー開発、ホスピタリティ研修なども手掛ける。

 
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