もうすぐバレンタインデー。総務省の統計によると、2人以上の世帯の、チョコレートへの年間支出額の約4分の1が、2月に集中しているそうだ。バレンタインデーというイベントが、国民的行事になっているのが分かる。
イマドキは幼稚園児までもが義理チョコのやり取りをするそうだ。だが、それがいじめに発展したり、親同士のいさかいの火種になったりもするという。企業内で展開される女子社員から男性社員への義理チョコを、セクハラ・パワハラと感じる人も多いようだ。確かに是非はある。
昨年2月1日、日経新聞に掲載された全面広告は、こうした流れに一石を投じた。「日本は、義理チョコをやめよう」というコピーが注目を浴びたこの広告、何と世界的なチョコレート・メーカー、ゴディバ・ジャパンのものだったのだ!
そもそもバレンタインデーにチョコを贈るという日本独自の習慣自体が、製菓業界や流通業界の企みによるものだという意見がある中、その業界の企業が発信した広告だっただけに衝撃的だった。
いずれにせよ、この時期になると、チョコレートラーメンだのチョコレート風呂だの、ミョーな物がちまたで話題になる。だがそれ以上に筆者が気になっているのは、最近流れているチョコレートのテレビCM。「健康を考える人」に扮(ふん)した新垣結衣ちゃんが、朝7時~夜9時までの間に、1日5回もチョコを食べているのだ。いくらカカオポリフェノールが体に良いといっても、太るに決まってるでしょ! とツッコミを入れたくなってしまう。
ところが…実はカカオポリフェノールには、脂肪蓄積を抑える効果が報告されているという。つまり、太りにくい食品ということ。日本チョコレート・ココア協会によると、それだけではないらしい。心臓病のリスク低減・動脈硬化の抑制作用など生活習慣病の予防効果、脳機能の改善効果などが研究成果として報告されているほか、抗菌、ストレス抑制、冷え性改善、便性改善などにも効果があるとされ、さまざまな研究が進められているという。
糖尿病や、予備軍の方にも朗報だ。チョコレートは食物繊維が豊富で糖の吸収を妨げるばかりでなく、インスリンの働きを高め血糖値を下げるという研究結果も発表されている。
ただし、コレはあくまでも「高カカオチョコレート」のこと。カカオマスの含有量が70%以上のものに限られるのでご注意。最近は商品名になっていたり、パッケージに記載されていたりするが、分からなければ原材料名を見ると良い。重量順に表示してあるのはご承知だろうが、ミルクチョコレートの場合、原材料の1番目はカカオマスでなく砂糖になっているハズ。こりゃ太るわい。
高カカオチョコレートを1日25グラム、朝、昼、夕の食前、午前と午後の間食の計5回に分けて食べると良いらしい。赤ワインのお供にして、Wポリフェノールを狙うとしますか!
※宿泊料飲施設ジャーナリスト。数多くの取材経験を生かし、旅館・ホテル、レストランのプロデュースやメニュー開発、ホスピタリティ研修なども手掛ける。