今年の夏は、思ったほど暑くはなく、東日本を中心に雨も多く通常の営業とはいかなかったところもあるかもしれない。逆に、天候不順に助けられ集客が思ったようにいった施設もあるかもしれない。いずれにしても地域によって営業の差が出たのかもしれない。
さて、今回は、消費税に関するポイントに触れたいと思う。読者の皆さんは消費税の仕組みはご存じだろうか。物を購入する際に消費税(現行は8%)を支払っているぐらいしか関心はないかもしれない。また、事業を営んでいる方には、消費税の納税で苦しめられたという方も多いかもしれない。
まず簡単に、仕組みの話をしてみよう。事業を営んでいる方(消費税法でいう事業者)は自身の売り上げに対して消費税を預かることになる。例えば、200に対する消費税は16になる(単位は省略)。続いて、何らかの支払いをする時に、消費税も支払うが、100に対する消費税は8となる。
この、16から8を引いた残りの8を国に納付するのが消費税の原則課税の仕組みである。しかし、この仕組みには例外が用意されていて、小規模の事業者はいちいち消費税に関して、税務上の処理を細かくすることはできないであろうから、簡便的な処理も認められている。これが、消費税の簡易課税という仕組みだ。
簡易課税は、支払いの際の消費税は一切考慮せず、売り上げに対する消費税のみ考慮するのだ。上記の16(200に対する消費税)に一定の決められた率を掛けて納める消費税を計算するのである。この簡易課税の方法によれば、消費税の計算は格段に簡単に済み、また、概して、原則の計算よりも納税額が安く済むという現象も生じている。
一度、自社の消費税の計算方法を確認してみるのもいいかもしれない。
今回、詳細は触れなかったが、簡易課税により消費税を計算するには一定の届け出と要件が必要になる。
(髙村税理士事務所代表、髙村健一)