
◆口コミサイト、レビュープラットフォームの変化
昨年秋にグーグル(Google)が日本の旅行・観光マーケットに向けた初のセミナーを開催し、旅行・観光マーケットのステークホルダーに向けて進化するツールについて発表した。
直販を増やしたい宿泊施設にはもちろん、観光地、アクティビティ、交通機関などについても、各詳細情報、利用方法、価格などを分かりやすく表示し、旅行者が直感的に利用しやすいプラットフォームへと進化を続けているとのことだ。
その変化は、グーグル自然検索結果や、Googleマップでも表面上分かりやすく変化を感じることもあるが、ここ半年~1年で、グーグル経由の口コミが増えてきたとお話する宿泊施設さまが多くなった。検索や予約をする機能が分かりやすく、ユーザーが増えれば、その分、口コミが増えていく。
一方で、宿泊施設さまの声の中に、グーグルの口コミは滞在(利用)履歴がなくても、口コミ、評価を投稿できるところが口コミ情報の信ぴょう性に欠けるとのことで、口コミを管理していく中で一つの懸念事項となっているようだ。
口コミは、口コミを投稿してくれたユーザーへの「返信」だけでなく、口コミを「閲覧」した未来のゲストへの対応という意味で、返信対応は重要であると考えている。
しかしながら、OTAや価格比較サイト、そしてSNSなど、旅行者が体験をシェア、評価投稿をするプラットフォームが増加し、宿泊施設側の対応が増えていくというのも、一つの課題となっている。
そのような状況の中、旅行比較サイトKAYAKが新しい口コミアプリ「Deets」を立ち上げた。Deetsの大きな特徴は、友人などアプリ上で「つながり」があるユーザー同士でしか、口コミを見ることができない、ということだ。
現在はボストン、ニューヨークのみで、レストラン分野でスタートしたとのことだが、今後は宿泊施設やイベントなどのカテゴリーも追加し、2024年にはグローバルに展開していくとのことだ。
Deetsは、悪い口コミを書いたとしても、友人しかそれを見ることができないため、レストランや宿泊施設への口コミ被害は大きくならず、また、ユーザーは友人に向けて書くため、正確なことを書かなければならないという社会的圧力がかかることになる。口コミの内容の信ぴょう性や信頼度が高まる。
今後は、レストランや宿泊施設側も、Deetsでクチコミを書いた人に直接返信することができるようになるとのことで、機能拡充が期待される。
(コレリーアンドアトラクト代表取締役)