【直販を増やす】デジタルマーケティングトレンド56 松本慶大


松本氏

 2023年はどんな1年になるのか、今は今後の予想がしにくいVUCA(ブーカ)時代と表現されている。VUCAは元々アメリカで使われていた軍事用語のようだが、Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の頭文字を取った造語で、2010年以降、社会やビジネスにとって未来の予測が難しくなる状況として使われている。VUCA時代を生き抜くために何をすべきか? 新年を迎え、皆さんも考えられていると思う。

 コロナ禍での生活者の変化について、Googleは、22年9月30日~10月2日、日本全国18~75歳の男女3万人を対象に調査を実施し、最新の生活者の旅行への意識や動向を分析していたので紹介する(「Think with Google」より生活者の旅行意向分析)。

 過去11年間に実際に国内または海外旅行に行った人の割合は、国内旅行で49%、海外旅行では3%。その一方で、今後1年以内に国内旅行に行きたいと回答した人は77%、同じく海外旅行は32%だった。もちろん、これらの人すべてが旅行に行くとは限らないが、過去1年間の実際の行動と現時点における旅行への意向には大きなギャップがあることが分かる。

 このように旅行への意向が高まっている国内旅行に限定し分析する。過去1年間の旅行経験と、今後1年間の旅行意向の差分を旅行形態別に見ると、「1人旅」と「友人・知人との旅行」が、今後1年間で特に大きく増加する可能性があることが見えてきた。また、年代別に旅行形態を見ていくと、「1人旅」は年代ごとの偏りが少なく、ライフステージに影響を受けないことが分かった。Googleトレンドのデータを見ても、「ひとり 〇〇」という検索は伸びており、感染拡大前の19年の水準を上回っている。

 では、今後1年以内に旅行に行きたいと考えている多くの人たちは、どのように情報を得ているのか? 今後1年間の国内旅行と海外旅行の意向者を対象に調査したところ、旅行の情報としては「詳しいテキスト情報」を好む人の割合以上に「直感的に見られる画像」を好む人が多いことが分かった。また、そうした旅行のアイデアは「すぐに活用する(人に共有する、旅行の予定を立てる)」よりも「(いつか)旅行するときのためにストックしておく」ことが分かった。

 定性調査でも「(SNSで流れてきた情報を)すぐ行く予定がなくても行きたい願望で、夜寝られないときにずっと見てしまう。自分で妄想していいなと思ったものを保存する」(30代女性)、「旅行の予定が決まっていない状態で、インスタとかでお勧めに出てきてめちゃくちゃいいキレイな景色だったり面白い建造物があったらどこだろうって調べたり、ブックマークする」(20代女性)といったコメントがあった。SNSなどで魅力的な旅先や宿などの画像を見つけると、いつか旅行に行くことを思いながら、とりあえず保存しておくといった行動が多いようだ。

 23年度のトレンドをまとめたマーケティングカレンダーを作成している。必要な方はこちらのメールアドレス(info@colllely-at.com)にご連絡ください。

 (コレリーアンドアトラクト代表取締役)

 
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