【焦点課題】トリップアドバイザー 代表取締役 牧野友衛氏に聞く

  • 2019年7月29日

インバウンド誘客に貢献

28言語で口コミ共有 世界共通の認証展開

 ――2016年秋に日本法人の代表に就任されてから約3年だ。

 「トリップアドバイザー入社前も、GoogleマップやYouTubeなどさまざまなインターネットビジネスの日本語版の立ち上げに携わってきた。グローバルのインターネットサービスを普及させることは日本の国際化につながると考え、活動してきた。当時、トリップアドバイザーは欧米諸国では圧倒的なのに、日本での存在感は薄いと感じていた。日本がインバウンド誘客を拡大するには、グローバルなサービスを活用する必要がある。世界で旅行サイトとして利用されているトリップアドバイザーを日本のインターネット業界に必要不可欠なパーツとして定着させたいと考え、入社した。日本の皆さまにトリップアドバイザーを使っていただくことが、インバウンドの拡大につながると確信している」

 ――7月12日に初めて「インバウンドレポート2019」を発表し、ウェブ上で無料公開(https://tg.tripadvisor.jp/news/blog/inboundreport2019/)した。この中に「トリップアドバイザーの日本語情報にアクセスしていた国は1位米国、2位中国、3位豪州…」という記述がある。ネット環境が特殊な中国本土で米国企業のサービスがこれだけ使われているのは驚きだ。

 「トリップアドバイザーの中国法人が、中国内にサーバーを置き、運用している。中国最大OTAのシートリップとも連携し口コミを提供している。SNSとは違い、口コミを通じて、旅行者に役立つ経験を共有してもらう場だ。日本に旅行した中国人が中国のトリップアドバイザーに中国語で投稿した日本の宿や観光施設に関する口コミを、世界中の人が自分の言語で読むことができる。ユーザーインターフェース(サイトの見た目)も機能もほぼ同じだ」

 「日本の旅行市場の規模は世界有数だが、日本人による国内消費に支えられている。日本の観光業界の商圏を国内から世界に拡大するためには、グローバルなサービスを日本国内にも普及させることが大切だと考えている」

 「代表として入社して約3年間、国内で日本人ユーザーを増やすことを目的として、日本語サイトでの提供サービスの改善を行ってきた。世界の旅行者は、その土地に住む人の経験やおすすめ情報を欲しがっている。日本人ユーザーが増えて、日本の宿泊施設、観光施設、レストランに関する口コミ投稿が増えれば、それが世界の旅行者に共有される。結果的にインバウンド誘客に貢献できる」

 ――「エクセレンス認証」について伺いたい。

 「口コミ評価の高い『宿泊施設』『観光施設』『レストラン』『アクティビティ』を認証、発表するものでランキングではない。認定基準は『12カ月以上掲載されている施設』『一定数の口コミを獲得』『評価が平均4以上』の三つだ」

 「実施9回目となる2019年は、全世界189の国と地域で49万8481施設を認定した。日本では5673施設を認定した。口コミ掲載のある施設総数に対する認定比率は、全世界が約10%なのに対して、日本は1桁台前半と低い」

 ――エクセレンス認証を取得することのメリットは何か。

 「世界共通の指標で認証を受けた安心できるお宿や観光施設ということで、誘客効果が期待できる」

 ――認証を受けるためのコツはあるか。

 「コツはない(笑)。まずは、口コミを集めること。そしてトリップアドバイザー上で自分の施設を検索して探し、『施設オーナー登録』を行っていただきたい。たいていの施設ページは既にあるはずだ。施設オーナー登録を行うことで、公式写真の投稿や口コミへの返信などができるようになる。世界49カ国・地域に28言語で、無料で情報発信ができるようになる」

 ――トリップアドバイザーの収入源は何か。

 「広告収入を主な収入源としていて、バナー掲載やメタサーチ機能提供などの広告収入、傘下のアクティビティ予約サイト『ビアター』の事業収入などで運営している」

まきの・ともえ=1995年文教大学人間科学部卒業。NTTドコモを経て、AOLジャパン・コンテンツプログラミングマネージャー、Google・ニュービジネスディベロップメント担当部長、Twitter Japan・上級執行役員事業成長戦略本部長などを歴任。2016年9月から現職。46歳

【聞き手・江口英一】

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