【焦点】インバウンド 向野悟

  • 2018年1月3日

地方が主役の誘客へ 競争力の強化が課題

 2017年の訪日外国人旅行者数は、過去最高の2800万人に達する見通しだ。13年に年間1千万人を突破した後は年々、堅調な伸びを示している。ただ、課題となっているのが訪日外国人旅行者の地方への誘客拡大だ。

 観光庁の統計によると、16年(年間確定値)の外国人延べ宿泊者数の都市・地方構成比は、三大都市圏(東京、神奈川、千葉、埼玉、愛知、大阪、京都、兵庫の8都府県)が60%、地方部(三大都市圏以外)が40%。都市部への偏りが目立っている。

 また、外国人延べ宿泊者数の上位10都道府県((1)東京(2)大阪(3)北海道(4)京都(5)沖縄(6)千葉(7)福岡(8)愛知(9)神奈川(10)静岡)の合計は、全体の80%を占めている。三大都市圏以外では北海道、沖縄、福岡、静岡が入っているが、外国人旅行者が多い地域と、そうでない地域の差はひらいている。

 政府は、「地方創生」に向けて地方への誘客拡大を重視している。観光振興の中長期の目標や施策を示した「明日の日本を支える観光ビジョン」には、外国人延べ宿泊者数の地方部比率を20年に50%に、30年には三大都市圏を逆転して60%に引き上げる目標を掲げている。このために地方部の外国人延べ宿泊者数を20年には現状の約3倍に相当する7千万人泊、30年には1億3千万人泊を目指す。

 外国人旅行者を誘致するには、各地域がグローバルな競争力を持つ必要がある。地方誘客への提言として、フランス観光開発機構ジェネラルマネージャーのクリスチャン・マンテイ氏は、17年9月のツーリズムEXPOジャパン・訪日旅行シンポジウムで「地方のアイデンティティが大事。多様性が力になる」「スキー、ワインなど、地域は何らかのテーマを持ち、その分野で世界トップ3の観光地を目指すべき」と指摘した。

 日本の地方には本来それぞれに個性があり、スノーリゾート、温泉地、農山漁村など、優れた観光資源も多くある。受け入れ環境整備や情報発信を強化すれば、世界的な観光地と肩を並べることは十分に可能だ。2020年に向けてインバウンドの主役は地方であるべきだ。

【向野悟】


関連キーワード

関連する記事

いよいよ、韓国で平昌オリンピック・パラリンピックが始まる。ますます危険度を増す北朝鮮情勢と韓国内の慰安婦を巡る議論の行方が心配だが、ここはオリンピックの原点に戻り、北朝鮮…

続きを読む

大好きな街の一つ、ラスベガス。そこで必ず訪れる「ザ・パーム」に行って来た。このレストランのウリは、米国農務省お墨付きのプライム・ビーフを最低でも35日以上熟成させたステー…

続きを読む

日本が氷点下に近づく中、クリスマスイブの夜、成田発で地中海のマルタ島に出かけた。イタリアが蹴ったボールのシチリア島の先に飛び跳ねた滴のような小さな島国である。日本の1市町…

続きを読む

新聞ご購読のお申込み

注目のコンテンツ

17年度「部門別・旅館ホテル100選」(2018年1月20日発表)

  • 「料理」「サービス」「風呂」「施設」「雰囲気」のベスト100軒

第31回「にっぽんの温泉100選・選んだ理由別ベスト100」(2018年1月1日発表)

  • 「雰囲気」「泉質」「見所・体験の充実」「郷土の食文化」の各カテゴリ別ランキング・ベスト100を発表!

第31回「にっぽんの温泉100選」発表!(2017年12月16日発表)

  • 1位草津、2位下呂、3位別府八湯

2017年度「5つ星の宿」発表!(2017年12月16日発表)

  • 最新の「人気温泉旅館ホテル250選」「5つ星の宿」は?