【温泉地活性化座談会】日本温泉文化を守る会 佐藤会長 × 日本温泉協会 関専務 × 國學院大學 楓教授


温泉地の魅力さらに高めよう

 旅行のプロである旅行会社やOTAの投票によって決定する、弊社主催の「にっぽんの温泉100選」の第37回の投票受け付けが7月1日からスタートしました。そこで温泉や温泉地に精通している、日本温泉文化を守る会会長の佐藤和志氏(鶴の湯温泉代表取締役会長)、國學院大學観光まちづくり学部観光まちづくり学科教授の楓千里氏、日本温泉協会専務理事の関豊氏の御三方に「温泉地の活性化」をテーマに語っていただきました。

温泉地の現状

 ――(司会=編集部・板津昌義)コロナ禍を経て、温泉地は今どういう状況にあるのでしょうか。皆さまはどうとらえていますか。

 佐藤 全国にいろいろな温泉地がありますが、私が住んでいる秋田県の乳頭温泉郷は一般的な温泉地とは少々ジャンルが違って、ひなびた、素朴という温泉の原点というべき部分で評価されているのだと思います。コロナ禍の頃は大変でしたが、そういう特色もあって幸にそれなりにお客さまは入っています。ただ、コロナ禍の影響によりうちの周辺の大型宿泊施設は深刻な状況で廃業したところも身売りしたところもあります。

 全国的な状況を見ると、もちろん場所にもよりますが、温泉地に関してはコロナ前の状況に近づきつつあると思います。なぜかというとやはり「温泉」という強みがあるからです。

 日本人だけでなく、外国人にも温泉は人気で、海外のアンケートでも温泉は日本の魅力のベスト3に必ず入ってくるほどです。

 とはいえ本格的な回復にはもう少し時間がかかると思っています。

 

日本温泉文化を守る会 会長 佐藤和志氏

 楓 「るるぶ」や「時刻表」を発行しているJTBパブリッシング(前職)の定期購読旅行月刊誌『ノジュール』では、コロナ禍以前から「ひとり旅」が人気の特集テーマで、毎年企画しています。友人や家族と一緒に出かける旅も楽しいですが、ひとりで気ままに、思い立ったところに行くという旅のスタイルが、コロナ禍以降一段と際立ってきていて、それはさまざまなアンケートなどでも裏付けられています。

 温泉地へのひとり旅は、気兼ねなく好きな時間にお湯に入れるのも魅力です。最近はひとりのお客さまを歓迎する温泉宿も増えており、『ノジュール』2023年5月号「ひとり旅」特集内の「旅の達人が選ぶひとり宿」コーナーでは多く温泉宿が挙げられいます。

 Wi―Fi環境さえ整っていればオンラインで仕事も会議もでき、仕事とリフレッシュの両方が可能な場所として、今後温泉地は現在以上に旅先として選ばれるのではないでしょうか。

 

國學院大學 観光まちづくり学部観光まちづくり学科 教授 楓 千里氏

 

 関 佐藤会長が話されたように、温泉地と一口に言っても、大規模、中規模、小規模と客室の数によってもタイプが違い、戻り具合がかなり違います。大都市に近い温泉地はコロナ禍の影響もそれほどなく、インバウンド需要も早期に回復しています。箱根温泉の旅館経営者に聞いたところ、「従業員がいないから受け入れにくくなっているだけで、お客自体はそれほど落ちていない」という話でした。熱海、草津も同様な状況と聞いています。個人の需要は依然強く、コロナ禍の中にあっても秘湯型の旅館などは持続的に利用されていました。

 ただ、大規模施設を埋めていた宴会型の団体旅行がほぼ壊滅状態です。また、40室ぐらいの中堅温泉旅館で、かつ売りがない、特色のある温泉地でもない、アクセスが悪いような施設が相次いで廃業、休業しているのが現状です。
インバウンド客に関しては、以前は東京、京都、大阪周辺から2時間圏内までだったのですが、今では秋田や青森の山奥などにも多数のお客さまが訪れています。

日本温泉協会 専務理事 関 豊氏

 

温泉地の魅力

 ――温泉地の魅力はどこにあると考えていますか。

 佐藤 今はボーリング技術が進んでいて、日本は火山国なのでどこでも掘れば温泉が出るという時代ですが、本来、日本の温泉というのは山奥にあるものです。温泉は地下の深いところからいくつかの地層を抜けて、その途中でいろいろな要素を含んで自噴するわけですから、いろいろな病気に効能があります。今の日本ではそれは医療とは認められていませんが、何百年も昔から人々の口伝えで何々に利く温泉ということで今に伝えられています。そうした効能も温泉の魅力です。

 それから、私は以前、山登りをやっていたことがあって、海外の山も何カ所か行っています。外国人の方から見れば、日本の山の箱庭みたいな感じのところに温泉がある。そこに魅力を感じているようです。コロナは密がだめだったので、山の中にある温泉地はこれから注目されるのではないかと期待しています。

 楓 温泉地への旅は、その土地の風土、歴史、文化や、人の暮らしのありようなどに触れられるのが醍醐味です。温泉地の料理をいただくのもその土地の暮らしを味わうことです。その温泉のいわれを知ることで、知的好奇心も満たせられます。
また、温泉に裸で浸かることは、その土地の風土に身を任せるということでもあります。外国からのお客さまには水着を着用しないと入浴しにくいと感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、土地の恵みに身体を委ねることによって、その土地の恵みや磁力といったものを肌で感じてもらえるはずですので、チャレンジしていただきたいです。そのためにも各施設での多言語の丁寧な説明も必要ですね。

 温泉地には、知的好奇心と開放感の両方の楽しみがあるというのが、一番の魅力ではないかと思います。

 関 日本の温泉は世界に類を見ないほど泉質の数が多く、それぞれ温泉で細かく適応症や禁忌症が定められています。それだけ医療的なものとして昔から伝わってきました。日本の温泉の楽しみ方というのは外国のような温泉プールで泳ぐとか、エクササイズをするとか、スポーティーな形とは若干違います。山や海、自然に没入して、静かさを楽しむ、癒やす空間です。

 また、1泊ぐらいでの旅行という時には山あり自然ありの温泉地があります。4、5泊かけて湯治がてらの旅行であれば、山奥の温泉地があります。楽しみ方の要素が世界でもまれなほど多様にあるのが温泉地の大きな魅力です。

 あと温泉地にいる人々です。それも村の共同浴場に入って、村のおじさんと話す楽しさを味わえるのも温泉の良さではないでしょうか。また、道後や城崎のような温泉街を歩く楽しみ方もあります。

 

温泉文化の世界遺産登録

 ――日本温泉協会などが「温泉文化」をユネスコ世界文化遺産に登録しようという活動をしています。

 関 なぜ、このような話になったかというと、各温泉地で働いている人には、ほかの職業の人と比べて低く見られているという意識がかなりあります。これでは働くみんなが希望を持てません。そうしたところ、群馬県の温泉地の方々から「温泉を利用する行為は暮らしの中に根付いている文化ではないか」という話が出て、それが群馬県議の方に伝わって政治の舞台に上がりました。日本温泉協会でも、群馬県の代表者の方からの声を受け、2019年の創立90周年記念総会で「温泉に入るという行為自体をユネスコ無形文化遺産に認めてもらおう」という決議を行いました。その後、コロナ禍により2年ほど活動ができなかったのですが、昨年の暮れから急激に政治的な動きも強まり、中曽根弘文参議院議員が会長を務める全国温泉振興議員連盟と群馬県の山本一太知事により「『温泉文化』ユネスコ無形文化遺産登録を応援する知事の会」を34道県で立ち上げていただきました。さらに今年になって、当協会と全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会、日本旅館協会の温泉関係3団体が中心となって全国推進協議会を立ち上げました。

 温泉文化の技の本質は何か、技の担い手は誰か、ということを特定していかないと国内法的にユネスコにあげることは難しいと文化庁から再三にわたって言われているので、当協会でも文化庁の元長官である青柳正規さんを座長として有識者会議を立ち上げて、今一定の定義付けの中間とりまとめをしたところです。今後はより多くのご意見を頂戴して肉付けをし、また文化庁とその関連の方々に調査をしていただいて全国の温泉文化の概要を把握して、文化庁の方でユネスコに上げるための予算付けという方向で進めているところです。

 佐藤 以前、朝日旅行という旅行会社があり、その下に「日本秘湯を守る会」「日本源泉湯宿を守る会」「文化財の宿」があったのですが、JTBに吸収されて朝日旅行がなくなりました。さて、会をどうするということになった時に、秘湯を守る会の名誉会長である佐藤好億さんから「会員はすべて日本の温泉文化を一番持っている宿なのでこの三つを集めて一つの会にしたら」という話がありまして、今は「日本温泉文化を守る会」の下に三つの会が入っています。

 当初、「日本温泉文化を守る」というのは大きい名前だなとけっこうプレッシャーがあったのですが、われわれの宿がそれを意識しないと山の温泉文化はなくなるという危機感の中でこの会というのを立ち上げたわけです。

 昔から代々引き継がれてきた温泉を残すには普通の旅館になってはならない。今ある自分の立ち位置をきちっと把握して、より日本を意識した宿作りをすることが、これからの温泉の活性化につながる部分だと思っています。ですから、何でも作ればいいというものではなくて、日本の建物はこうあるべき、日本の風呂はこうと、そういったように常に日本をイメージした考え方、作り方、経営の仕方を意識しています。

 今、中国などの外国の資本が北海道あたりにかなり進出してきていますが、そういう外国資本では日本はイメージできません。旅館の規模の大きい小さいは関係なく日本の温泉はこうだよというものを示すことがこれからの日本の温泉の文化というものにつながっていくのではないでしょうか。常に日本という意識がないとただ海外のホテル、有名なホテルをまねするだけになってしまいます。そういうジャンルは、そういうジャンルであっていいのですが、温泉に携わってる方々は施設の大小は関係なく、自分の個性を生かしていくことを意識してもらいたいなと思います。

 楓 温泉愛好者の1人としてユネスコの無形文化遺産登録を目指すことについて、個人的に応援していきたいと思います。

 温泉をユネスコの無形文化遺産として認めてもらうには、温泉に親しんでいるお客さまからの支持が重要だと思います。実際に温泉地を訪れて、温泉の恵みを満喫しているお客さまの署名をどんどん集めて、一般市民がいかに温泉を大切にしているかをユネスコにアピールするのが良いかと思います。そのアピールの力が、海外の方たちが日本の温泉に目を向けてくださる原動力になるのではないでしょうか。

 前職の月刊誌『旅』(大正13年<1924年>創刊の月刊誌、現在休刊)編集長時代は、よく「温泉」特集を企画し、温泉地の歴史記事も多く手掛けていました。行基や弘法大師の開湯伝説から墨客とのゆかりなど、戦前までの温泉地の歴史資料は地域の図書館や郷土資料館に残されていて大いに参考になりました。しかし、戦後から今日までの温泉地の形成の歴史、それから、そこで活躍されてきた人たちの足跡などの資料が、地域でまとまっていない印象があります。

 例えば由布院では、温泉地のあり方に危機感を持たれた旅館当主のお三方がヨーロッパへ視察に行き、滞在型温泉保養地のあり方を学び、今日の由布院の観光まちづくりの基盤を作ったストーリーは観光関係者にはよく知られていますが、まだまだ公開されていない当時の貴重な資料があるかと思います。

 由布院に限らず地域で大切にされている温泉に関する資料のアーカイブ化を進めていただければと思います。これは今後、温泉文化を継承していく上で大変重要です。国内の温泉に関する文献、資料を一堂に集めた日本温泉アーカイブができると温泉研究も進みます。ぜひ日本温泉協会にイニシアチブを取っていただければと思います。関さん、よろしくお願いいたします。

 

 

課題とアドバイス

 ――温泉地活性化に向けた課題は何でしょうか。また、今後取り組むべきことのアドバイスもお願いいたします。

 佐藤 昔から温泉は生活の知恵で予防医学が潜在的にあります。田舎だと田植えや稲刈りが終わった後に1週間か1カ月、湯治をして次の年に備えるという、医者にかからないように自己管理をするというところで温泉がすごく利用されていました。バブル時代というかしゃかりきに働いてお金を稼ぎ、お金があれば何でもできるという意識になってしまった時代に、病気になる前に自分の体を予防するという意識がポンと抜けてしまいました。バブル時代が過ぎて、今、お金ではなく、健康であればこそ幸せを感じられるという時代になり、温泉で癒やされながら過ごす時間が貴重になるのではないでしょうか。そういう部分で温泉をもう一度再認識してもらう必要があると思います。

 長野県の野沢温泉では、昔、12カ所ある共同利用の外湯が観光客に乱暴な利用をされて大変でした。お湯の神様というのは薬師如来で、その薬師如来には十二神将という子丑寅卯辰巳とそれぞれの神様がつきものです。それで河野さんという「村のホテル 住吉屋」の御主人が、12カ所の外湯を増改築した時に入り口に神様を祭って募金箱みたいなものを置いたら以前と全然違う利用のされ方になったということがありました。日本には神様への信仰心がすごくあるんですね。

 今、野沢温泉に外国の方が来て喜ばれているのは宿泊施設の外に商店街があることです。それは昔、河野さんたちがスーパーもコンビニもいらないとこだわって、今も野沢にはないからです。宿の外に昔からの地元の商店街があって、まんじゅう屋もあるし、魚屋も肉屋もあって、ちょっと買い物をして部屋で楽しめるようにしています。日本的な生活の中に温泉がある。ここが重要だと思います。

 年々、各地の温泉旅館がグレードアップしてきて、当初はトイレ付きから始まって、風呂付き、究極は露天風呂付きというところまで来ています。そういう設備も大切ですが、できれば日本をイメージした施設であってもらいたいと思います。例えば、露天風呂も、板塀で囲ってただ青空が見えるだけのものは、私は残念だと思います。露天風呂はやはり開放感なんです。

 黒川温泉に前、後藤哲也さんという方がいて、以前の看板を一切外し、白黒の看板に代えて、各宿に露天風呂がなかったので、露天風呂を造ろうと提言しました。黒川温泉の各宿の敷地はそんなに広くないので、その時に彼が何をやったかというと、露天風呂に外の開放感を出すために広葉樹の植え込みで露天風呂を囲って、植物に囲まれた中で温泉に集中させる造りにしました。そのように露天風呂は、物語のある露天風呂であってほしいと思います。

 楓 本学観光まちづくり学部では「観光まちづくり」を「地域社会の現状と課題を理解し、地域を主体とした『観光と交流』を軸にしながら、活力あふれる地域の実現を目指した活動」と定義しています。地域の方にとって、より良いカタチの交流を進めましょうということで、「観光まちづくり」を積極的に進めている地域とは、ゼミ生の訪問や、実践者を大学に招聘して話を聞くなど交流を進めており、学部機関誌『観光まちづくり』では事例紹介もしています。

 観光まちづくりの好事例では、地域おこし協力隊の制度をうまく活用し、移住者と地域の方が連携して新たな活気を創出している取り組みが共通しています。

 先日、機関誌の取材で伺った島根県大田市の温泉地、温泉津では、非常に興味深い取り組みが実践されています。羽田空港離陸後、温泉津着までは最短でも約4時間半と時間が掛かり、関東では馴染みが薄い温泉地ですが、開湯は約1300年前と由緒ある地域です。世界遺産・石見銀山の温泉宿泊地として2007年登録以降しばらくはにぎわいましたが、その後、客足は遠のき、旅館の閉館などもあり、温泉旅館組合、大田市役所、観光協会は危機感を持ち続けていました。

 ところが、ここ10年ぐらいで新しい動きが出てきています。一家で移住してきた方が「母親として、子供たちが自慢できる温泉津にしたい」との想いを持ち、温泉津のまちづくりに取り組み始めたのです。まず、空き家を再生し、若者が気軽に宿泊できるゲストハウスを開業し、利用者増に合わせて、レストランもオープンしました。温泉がないゲストハウス利用者は、地域内の立ち寄り湯で汗を流せます。レストランはシェフが月ごとに交代するシェアキッチン形式で、予約の取れないレストランとして今では大人気です。

 移住者がさまざまなイノベーションを起こし、そこに地域の旅館経営者も参画しています。ゲストハウスは数千円で泊まれる一方、温泉旅館は1万円から1万5千円程度ですが、うまく共存していこうとの気運が生まれています。一部の温泉旅館は昼間に喫茶コーナーを始め、新たな移住者がスパイシーカレー屋やバーも開業し、1日中温泉津で過ごせる工夫がされています。

 活性化している要因の一つは、地域の方と移住者が共に伝統芸能である岩見神楽を守り盛り立てることへの思いが一致し、積極的に協働していることが挙げられます。

 温泉津に多くの人に訪れてもらい、石見神楽の魅力と温泉地としての温泉津の磁力を体感してもらう工夫を重ねられています。地域の方と新たに移住してきた人々が協働して「観光まちづくり」を進める好事例として、温泉津は中小規模温泉地の取り組みの参考になると思います。

 関 温泉地の活性化に必要なのはやはり人と物です。中心になってくれる人がいてそこに人が集まってきます。その地元の人がいなくなればよそからの人が入ってきて活性化につなげていくしかありません。かつて温泉地が発展したところには必ず佐藤さんのような偉大なカリスマの方がいらした。その方が一つ柱を立ててその周りに人が集まって温泉地ができてきたという流れがあります。今はかつての巨人たちがだんだん年老いてきていますので、現役の世代交代が起こっています。

 先ほども出た露天風呂の話も、どうしても先代とは違う色を出したい、また、先代がしてきた苦労はしたくないと、一足飛びに高単価にしてハイリターンを求めるというような若い後継者が非常に増えてきています。そこはもう一度、先代の声に耳を傾けてほしいと思います。温泉地を魅力的にするためにも確実な新世代の経営者が必要であると考えています。

 また少子高齢化によって日本人だけをターゲットとした宿泊経営はもう難しくなっている状況です。外国人の方は温泉で裸になるのが嫌いであるとか、そういう先入観はいったん取って、外国人の方にも日本はこういう文化であると理解してもらうような活動が業界団体としては必要ではないでしょうか。

 また物については2次交通の問題があります。路線バスがなくなったり、地域に人通りがないためにタクシーも運行しなくなったり、レンタカーの数も足りないということで、温泉地に迎えたくてもアクセスがない。全部が全部、車に乗れる方ではないので各自治体や行政、国も含めて2次交通の安定整備を行ってほしいと考えています。

 温泉は全て千差万別であり、一つも同じ温泉はありません。同じように各温泉地もそれぞれの歴史と文化を継承してきています。例えば佐藤さんのところの鶴の湯であれば、わらぶきの屋根の本陣に大きな乳白色の露天風呂があります。郷土料理の芋の子鍋をいろり端で食べることもできます。これは鶴の湯でなければ味わえないものなんですね。このような温泉地の魅力というのは実は気づいていないようでどこにでもあるはずです。この魅力を発見して、磨き上げてほしいと思います。

 また温泉地ならではのおもてなしです。地方弁で歓迎してくれれば、遠くから来られた方は感動するものです。これは外国人でも同じで、英語が分からないから受け入れないではなく、外国の方にも同じように日本語で接してもらうようなスタッフ作りということが一つ重要です。ほんの少しの優しさがある日本人スタッフを教育するということは温泉地の発展のための一つの大きなことです。

 ――貴重なお話をありがとうございます。弊紙でも、温泉地の活性化につながるよう有益な情報をこれからも発信してまいります。

 

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▷にっぽんの温泉100選特集 第3185号≪2023年8月7日≫発行 | (kankokeizai.com)

 
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