【日本政府観光局インバウンド最新リポート 64】コロナ禍の米国の旅行市場 JNTOロサンゼルス事務所 門脇啓太 所長

  • 2020年7月29日

安全性高いツアー造成模索

 3月20日から米国カリフォルニア州では「Safer at Home」という政府命令(いわゆる外出自粛要請)のもと、人の移動による感染拡大抑止のために、生活に必要不可欠なサービス以外の経済活動が停止された。食料品店や生活必需品を販売する店での買い物は入店制限が行われるため、入店の順番待ちとソーシャルディスタンスを保つために長蛇の列ができた。

 米国人にマスク着用の習慣はなく、今まで日本人などアジア系がマスクを着用すると変な目で見られがちだったが、保険局の命令で、当地でも公共施設の利用や入店にあたりフェイスカバーかマスクの着用が必須になった。南カリフォルニアでは買い物袋は有料だが、店の従業員が買い物客持参のエコバッグに触れて感染しないようにするため、買い物袋が無料で提供されるようにもなった。ソーシャルディスタンスの観点から、人混みを避けたり、通常の生活においても他人と一定間隔を取るようにしたりなど、生活様式の劇的な変化を感じる。

 さて、その間、旅行業については移動が制限されたり、宿泊施設も臨時休業を余儀なくされたりしたので、国内旅行を含め旅行ができない状態になった。当然ながら、初めは予約のキャンセルが相次いだが、6月24日に発表されたUSTOA(全米ツアーオペレーター協会)の会員に実施した旅行予約に関するアンケート結果によると、過去30日間の予約について、コロナウイルスパンデミックが始まってからと比較して7%が引き続き下がっている、29%が変わらないと回答した半面、64%が増えていると回答している。

 また、4月から5月に新しく入った予約のうちの41%が2020年第4四半期(10~12月)の旅行であり、21年の第1四半期が51%、第2四半期が71%、第3~4四半期が63%との回答で、国内旅行29%に対し、海外旅行はこれら予約の71%を占めるという結果を見ると、このような状況下でも米国人の旅行に対しての思いは強いと言える。

 USTOAは会員に対してコロナウイルス禍での旅行を安全に実施するための共通ガイドラインを作成しているが、その中でも強調されているのは、フェイスカバーやマスクをすること、ソーシャルディスタンスを取るということである。

 ツアーオペレーターの商品造成担当者らはCDC(アメリカ疾病予防対策センター)や世界各国の感染対策ガイドラインに沿った新たなランド手配内容の詳細や、各観光地においてどのような衛生対策が取られているかといった具体的な情報を今後のツアー造成の準備や販売のために必要としている。今後は衛生対策が徹底され、かつ人混みを避けることができる、ソーシャルディスタンスが取れるような旅行形態、すなわち安全や清潔が保証されることが旅行商品造成の際の最重要事項になる。

 
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