【旅館ホテルのおもてなし 37】高齢のお客さま2 大谷 晃


 ●お出迎え

 お客さまのペースに合わせることが基本です。急かすような態度はいけません。

 高齢のお客さまで歩行がスムーズでないと察したら、すぐに駆け寄り、玄関口の段差、スロープ、階段などで、手を取るなどしてサポートします。耳が遠い方に対しては、一語一語ゆっくり大きな声で。どこまでもさりげないふるまいを心がけましょう。つえをお使いであれば、館内に入るときには、声をかけてからつえの先を拭きます。

 また、お客さまの中には、車椅子を使っていても歩ける方がいます。お客さまが車椅子から降りようとされるときは、足をのせるフットレストが邪魔になります。ご本人と付き添いの方にお声をかけてから、足を少し持ち上げ、その間にフットレストをたたみます。

 お客さまの中には、自分の体に触られるのを嫌がる方もいます。必ずご本人に承諾を得ることが必要です。その際は、同じ目線まで腰を落とし、「お手伝いいたしましょうか」とお声がけをします。

 ●チェックイン

 お客さまの動作がゆっくりであっても、フロント係はお客さまのペースに合わせます。急かされたり、嫌な顔を見せられると、それだけで「もう二度と来ない」と感じさせてしまいます。お客さまだけではありません。その話を聞かされた人たちも、利用を敬遠することになります。旅館ホテルとしては大変恥ずかしいことです。

 このような場合は機転を利かし、ロビーか、あるいはお部屋にお入りになってから「宿泊カード」にゆっくり記入していただくようにします。

   *    *

 ■日本ホテルレストラン経営研究所=ホスピタリティ業界(旅館、ホテル、レストラン、ブライダル、観光、介護)の人材育成と国際交流へ貢献することを目的とするNPO法人。同研究所の大谷晃理事長、鈴木はるみ上席研究員が監修する書籍「『旅館ホテル』のおもてなし」が星雲社から発売中。問い合わせは同社TEL03(3868)3275。

 
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