
今月14日に39県で緊急事態宣言が解除され、事態はようやく上向き始めた。楽観はできないが、そろそろ商売のエンジンを回していきたい。そこで今後の宿泊需要(主に観光)の回復を予測してみた。未来予測など軽々にすべきものではないが、小欄の使命として曲がりなりにも示したい。
掲載まで少しタイムラグがあるが、ひとまず執筆時点と同じ状況と仮定して、人数帯別の需要回復を見通してみる。それぞれ「早期型」と「慎重型」を想定した。当然ながら、団体需要はしばらく見込めない。まずは瞬発性の高い個人客、ファミリー客から徐々に回復という図式になる。ここで「ほぼ回復」とは、「ある程度の…」という意味だ。コロナ以前水準までの回復にはまだ時間がかかるだろう。なお図では、それぞれの「検討期間」を示した。旅行の実施を考える「リードタイム」である。これの始まりが、積極的に打って出るターニングポイントだ。
なにしろ前例のないことなので、過去に参考とするものがない。流行の第2波が来るかもしれないし、人々の警戒心が緩むのに、思ったより時間がかかるかもしれない。しかし経営は毎日が勝負だ。それなりに予測を立て、動いていく必要がある。これをたたき台に旅館それぞれで補正を加え、「出口戦略」を練っていただくことを願う。
(株式会社リョケン代表取締役社長)