
いわておかみ会 橋本英子会長
人生の思い出を彩る場所に
未曽有の東日本大震災から丸10年を迎えます。あの日あの時のことは、東北のみならず日本人の全ての人の記憶にありありと残っております。
私たち岩手県の宿泊施設にとっても大きな痛手を受けました。沿岸地域の施設は建物のほか、尊い命まで失った施設もあり、直接の被害を受けない施設も自粛や原発の風評被害などで一時は営業存続も危ぶまれた施設も多い中、徐々に全国各地からの支援団体、復興工事関係者・ボランティアの受け入れ場所として、また避難者の受け入れ場所として活気を取り戻してきました。
2019年にはラグビーワールドカップも開催され1日は台風で中止になるも、日本全国のみならず世界から復興の象徴として注目を浴び感動の大会となりました。
また、三陸縦断自動車道が間もなく完全完成することや、三陸鉄道リアス線の南北一貫運行も可能となり、岩手の観光に明るい兆しが見えてまいりました。これまでの国や県をはじめ関係する皆さまに改めて感謝申し上げます。しかしながら、20年2月からのコロナ禍が再び私たち観光業界を襲い、先が見えない不安に陥っております。
私たちいわておかみ会の会員は情報共有しながら、あの歴史的な震災をも乗り越えたのだから、観光に人は必ず戻ってくる、人を癒やし、人生の思い出を彩る場所でありたいという信念を忘れず、忍耐強くコロナの収束を待ち、前に進んでまいります。
(新安比温泉静流閣)