
「場としごと」を共有することで始まる新たな旅の需要創造事業
新潟県南魚沼市の旅館「ryugon」は、宿泊施設の業務を手伝うことで、無料で宿に滞在できる仕組み「さかとケ」を構築した。「新たな旅の需要創出事業」として注目されている。
2千坪の敷地に16棟の平屋で構成された古民家風旅館。2019年に「雪国文化」(8千年前から雪と共生して暮らしてきた暮らし)というストーリーに基づき改修。宿泊、飲食にさまざまなアクティビティを組み合わせた新しいコンセプトの宿となっている。
さかとケは、皿洗いや客室清掃などの業務を5時間手伝ってもらうことで1泊を無料で提供する仕組み。空いている時間は旅館のラウンジや大浴場でくつろいだり、リモートワークを行ったり、自由に過ごせる。リピーターになれば、さらに高度な業務を手伝ったり、イベントの企画なども行ってもらう。
テレワークで勤務する30代の女性を中心に、これまで約50人が登録。将来、宿泊業への就業を希望する学生が長期間で参加するなど、手軽に体験できるインターンシップの場としても機能している。
「顧客と受け入れ施設が単なるサービスを享受、提供する立場から、互いに助け合う関係に変化させていくことを一番の目的としている」と同館。
▷ryugon|雪国を感じる古民家ホテル