【体験型観光が日本を変える251】ほんもの体験フォーラム 飯田市で開催 藤澤安良


 ロシアのウクライナ侵攻は激しくなる一方で、子どもを含む民間人も爆弾の標的になっており、死者は増え続けている。終わりの見えない侵略戦争である。日本を含む西側諸国からは経済制裁が進んでおり、ロシアで営業している外国の数百社が撤退をし続けている。日本の国家や個人としてできることは何か考える時である。

 その日本で16日の深夜に福島県沖を震源とする震度6強の地震が起こり、東京でも震度4であった。18日の深夜も、岩手県北部太平洋岸で震度5強を記録した。11年前の東日本大震災をほうふつさせることになった。

 22日、新型コロナ感染防止対策としてのまん延防止等重点措置が全国的に解除された。ようやく、飲食店や観光などの経済活動が戻ってくることが期待される。

 しかし、感染者数は緩やかな減少傾向ではあるが、オミクロン株のひとつで感染力が強いとされる「BA.2」系統のウイルスにいずれ置き換わると発表された。また、ブラジルでの新たな変異株「デルタクロン株」の感染例が見つかった。楽観できない状況が続くことになる。

 そんな中、「全国ほんもの体験フォーラムin南信州」が飯田市で開催された。時節柄、抗原検査を実施し、講演者とパネラーのみの参加とし、無観客で全国にユーチューブ配信する形となった。

 基調講演した公益財団法人日本修学旅行協会事務局長の高野満博氏は、「修学旅行はコロナ禍では実施時期や行き先など大きく変わった。コロナ後にはその多くは戻ると思われるが、一部には、行き先は遠くでなくても教育効果の高い内容重視に変わる可能性がある。また、新学習指導要領の「主体的・対話的で深い学び」や探究学習、SDGs学習などの観光旅行では得られない、学びの手法や内容の充実が求められている」と語り、受け入れ地域の意識醸成と受け入れ態勢整備の必要性を解いた。

 それらの状況からSDGsをテーマとした第1分科会では、すでに実践している地域で、生徒も学校も地域の担い手も、全て好評で双方で感動して行動変容につながっており、積極的に取り組むべきであり、ファシリテーターの人材育成も必要であるとした。

 第2分科会では、教育民泊の推進について、基本理念である、人と人、人と自然、食生産現場での食育を中心とした体験交流をしっかりやる。さらには、全国共通の最大課題の担い手の確保は、若い世代など未経験家庭にも幅広く勧誘を行うと同時に、近隣市町村や隣県に及ぶ広域連携の必要性がある。また原油や食料品の値上げが相次いでおり、料金改定が避けられない状況である。

 第3分科会ではインバウンド誘致について、コロナ禍で空港は観光客を受け入れてはいないが、受け入れ再開に備えて準備を整える時である。そのニーズは田舎の日常を暮らすようなありのままの体験である。全ての分科会で共通しているのは、全ては「人だね」ということになる。

 コロナ後は体験交流を通して、人に会い、人と会話し、人に学ぶ旅こそが求められている。

 
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