【体験型観光が日本を変える246】体験型観光が日本を変える 藤澤安良


 マイナス20度にもなる極寒の地での北京オリンピックは、選手にとっては大変過酷な戦いを強いられている。羽生結弦選手のはまった氷の穴、高梨沙羅選手の抜き打ちウェア検査、相次ぐ審判の偏りの判定など、世界最高峰の競技会であるはずのオリンピックに何かスッキリしない感情を持った人は少なくないはずである。

 競技に支障が出て、けがの危険があるようなリンクは常時点検補修すべきである。競技ウェアは抜き打ちで全員検査でないなら、すり抜けて違反のウェアで競技している者も存在することを容認することになる。排除の論理ではなく前もって全員検査し、不具合があるものは取り替えて失格者をなくすべきである。

 オリンピック創設者、ピエール・ド・クーベルタンは「勝つことではなく、参加することに意義がある」という言葉を残した。もちろん勝つことの栄誉は大切だが、不正で得られた勝利は栄誉であるはずがない。人間の弱く醜い部分が垣間見えることになり、100年を超えるオリンピックの歴史があろうとも、残念ながら人間は進化していないことになる。

 平和の祭典ともいわれるオリンピックの最中に、ウクライナとロシアの軍事的な緊張が高まっている。戦争の悲惨さを知っている人がほとんどであろうに、愚行に発展しないよう日本政府も退去指示のみならず、外交面でも力を尽くしてほしいものである。

 また、世界的に新型コロナウイルスのまん延はとどまるところを知らず、世界経済が大きなダメージを受けているにも関わらず、武力衝突のような大きなダメージにならないことを願うばかりである。

 全国各地にまん延防止等重点措置が適用や延長されており、往来が自粛となり、観光産業にとっては大きな痛手である。一方で、3回目のワクチン投与が急がれていたり、治療薬の認可が進むなどの朗報もある。

 教育旅行を取り扱う旅行会社や教育現場でも、収束に向かったなら、教育民泊をはじめとする体験交流の再開が求められており、コロナ禍以前まで受け入れてきた地域は、それらの期待に応えるように準備をする必要がある。

 コロナ禍からコロナ後に向かう中で、その経験を生かし、新しい観光の在り方を追求し、業界全体の発展を目指さなければならない。

 昨年はコロナ禍で延期を余儀なくされた「第16回全国ほんもの体験フォーラムin南信州」も依然として全国から参集してもらい行うには、社会的な環境が整わない状況であり、今年は登壇するパネリストのみ、現地でのディスカッションを行うこととし、オンラインウェビナーにて開催する。

 全国的な状況把握、(1)SDGs(2)教育民泊(3)これからのインバウンド―のテーマに特化して、新しいシステムやノウハウ等の共有により、モチベーションを高め、次に立ち向かうエネルギーとなってほしいと願っている。お申し込みは南信州観光公社まで。

 
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