今年のノーベル物理学賞の受賞者に、米・プリンストン大学の上級研究員でアメリカ国籍を取得している真鍋淑郎さん(90)が選ばれた。1980年代当時、二酸化炭素(CO2)が気候に与える影響というのは注目されていない研究分野であったが、今や、疑う余地のない常識ともいえる分野である。
ドイツでは地球温暖化などの環境問題が国政選挙の大きな争点となっている。SDGsの17の目標でも気象変動や地球温暖化などは極めて重要な課題となっている。
60年の長きにわたって研究された。まさに気象物理学の先駆者であり、まぎれもなく第一人者である。しかし、ご本人はノーベル賞を受賞できるメジャーな分野ではないと諦めていたとのことだった。やっと時代と世界が追いついたというべきか、その気象学のおかげで地球環境問題に取り組む流れができたものと考えられる。偉大なる功績であるのは間違いない。
私の関心ごとは、くしくも多くの視聴者の関心と同じであったが、なぜ日本ではなく米国籍をとり、今もなお米国で研究を続けているのかという質問の答えは実に興味深いが、日本にとって残念なものでもあった。
そんな中、岸田内閣が発足した。この国は多くが変わらないと世界に取り残されてゆく。そんな危機感をもっている人は私だけではないはずだ。日本の知恵が他国に流出しないよう、研究者がのびのびと研究できる環境を整えるのも大きな政治の責任である。二つ目の関心は何と、90歳で現役で研究を続けておられる点である。とても刺激的である。私も、老いぼれている場合ではないと思わせてもらった。
7日夜、突然テレビと携帯から防災アラームがけたたましく鳴り響くとほぼ同時に大きく揺れた。震源地は千葉県北西部と報道された。まさに、そこに住んでおり、被害が大きいはずだが、幸いにも棚から空のペットボトルが1個落ちたのみで震度4であった。
被害の全容が明らかになるにつれて、震源地とは遠い地域が震度5強であることが分かった。交通がまひし、多くの帰宅困難者が出た。次の朝の通勤通学にもターミナル駅で長蛇の列が続いた。新型コロナでリモートは経験しているはずだが、緊急時に生かされていないことも判明した。
他には水道管の破裂が相次いだが、死者が出るまでには至らず、人的被害は少なかった。想定されている大地震の首都直下型や、南海トラフが迫っているような予感がする。この地震は、大地震への備えをすべきであると示唆している。
また、全国的に緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が外れ、新型コロナのワクチンの2回目接種率が63%を超えた今、実証実験として、観光業では2回のワクチン接種済みか検査陰性での参加条件でツアーが始まり、いよいよ、観光産業や飲食店など社会経済活動の再開が近づいている。
観光は旅先で大酒を飲む人がほとんどおらず、飲食店で長時間飲酒するよりよほどリスクは少ない。起爆剤となる「Go Toトラベル」の再開は急がず、閑散期平日対策で行うべきであろう。