【体験型観光が日本を変える 97】ほんもの体験ネットワーク総会 体験教育企画社長 藤澤安良

  • 2018年11月17日

 過日の、免震・制震の偽装に続いてまたもや日本企業の信頼を揺るがす事件が起こった。産業用鉛蓄電池に加え、新たに自動車用のバッテリーやリチウムイオン電池の電池用部材など半分以上、計28製品で不適切な検査が見つかった日立化成の全事業所で不正があった。今回の不正で、延べ2400社が対象と影響が広がっている。多くの迷惑と損失を負うリスクを考えない場当たり的な自社主義、利己主義からの脱却が求められている。

 そんな話とは打って変わって、秋晴れの空が広がり紅葉がピークを迎える岩手県で、4年前の同時期に全国ほんもの体験フォーラムが開催された久慈市と田野畑村において、全国ほんもの体験ネットワーク総会を開催した。全国各地から、遠路九州からも参加した60人が熱い議論を繰り広げた。会議には、岩手県県北振興局長をはじめ、地元久慈市長、田野畑村、野田村、普代村の各村長も同席し、議論を見守り、体験型観光の重要性を共有した。

 体験型観光推進の課題としては、(1)農水省農泊・渚泊推進事業の推進および成果の創出に努力すること(2)訪日外国人教育旅行の対応および一般客(含む外国人)・個人グループ客の対応(3)農山漁村生活体験(民家ステイ)の位置付けと農家民宿と民泊新法の違いの理解(4)体験プログラムの料金改定および消費税10%に向けた対応(5)新学習指導要領「主体的・対話的で深い学び」の対応(6)教育旅行マーケットの変化と営業のタイミングと品質向上のためになすべきこと(7)企業研修プログラムの具現化に向け、ファシリテーターの人材育成を行う―など、議論は3時間に及んだ。

 メンバーは、お客を取り合うライバル関係にはあるが、高い志と、地域振興に向かう方向性が同じであることから、悩みも課題も共有し、助け合い、協力し合い、互いが高みを目指すという点で一致しており、夜の情報交換会も話が尽きない。その後も、悩み相談が続く。

 同じ会社の職場のつながりよりもいい関係である。組織の議題は、(1)第14回全国ほんもの体験フォーラムin奈良・飛鳥の結果報告と(2)来年3月21日から3日間にわたって開催される第15回の長崎・五島の概要説明が行われ、すでに800人程度の参加が見込まれることとなった。

 長崎から100キロもの西の離島である。今年6月30日に、「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」が世界文化遺産に登録された。にわかに、テレビなどの取材放映も多くなり、露出が多くなったことにより、五島が注目を集め、観光客数も増加している。

 海の青さも、断崖の雄大さも見どころであり、海の幸と五島牛・五島豚も外せない。島の至る所に椿(つばき)が咲き、空港名も五島つばき空港となったぐらいである。大手化粧品メーカーのシャンプーリンスの原材料はこの島の椿である。読者の多くもぜひ、全国ほんもの体験フォーラムに参加して、地方創生、日本の田舎に活力をと結集する仲間と交流してほしいものだ。

 
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