【体験型観光が日本を変える 164】マスクの品不足はいつまで 体験教育企画社長 藤澤安良


 われわれと同年代の女優でタレントの岡江久美子さんが新型コロナウイルスに感染し帰らぬ人となった。感染が拡大し続けている新型コロナの対応を巡ってさまざまな対応に理性が現れる。

 マスクを何とかする、医療現場の医療体制整備も万全にする、PCR検査態勢を拡大する、などと言っていたがいずれも不十分である。あれからいったい何日たったのだろうか。1カ月以上たっても実現していないものが多い。

 熱があっても医療機関に診てもらえず、PCR検査もしてもらえず、自宅療養を勧められて、容体が急変し死に至った人も少なくない。急激に容体が悪化するケースが多いことも、何度も報じられていながら、その学びは生かされていない。

 マスクやゴーグル、あるいは手袋や防護服などが潤沢でないことは以前から分かっていて、その対策が取られていない状況が続いている。感染力が強く、どうして感染したのかも明白でない中で、院内感染が増え続けており、医療関係者の感染や濃厚接触者も増え続け、自宅待機や自宅療養を余儀なくさせてしまっている。このような状態を医療崩壊と言わずして何と言うべきなのか、全てに対応の遅さや判断の甘さがある。

 4月25日現在、まだ届かないマスクの予算と実際の調達金額との差があまりにも大きすぎたり、カビていたり汚れがあったり不良品も多く、未配布分の多くが回収されるなど、マスク一つをとっても、しっかり対応できないなど、国の事業としてはあまりにもお粗末でずさん過ぎる。そんな中で犠牲者を増やすばかりになっている。

 生きるための食とインフラと医療は回り続けなければいけないが、外食やファッションや旅行は真っ先に自粛の対象となる。

 全国でのコロナ関連倒産が100件に及ぼうとしている。終息の先行きが見えない状況であるゆえに倒産はさらに増えるとの予測は容易にできる。コロナ後の経済が復興しようとしても、倒産してしまえばその受け皿が無くなり、復興も活性化も容易ではない。

 ゴールデンウイークが始まった。例年なら全国的ににぎわい、観光関連産業が潤う時期であるが、ステイホーム週間となり、休館・休業とあっては打撃は大きい。何とか持ちこたえてほしいものである。

 また、政治は経済が持ちこたえられるように、みんなにマスク、みんなに10万円ではなくて、業種・業態別に現状分析し、詳細で実情に合致したあらゆる政策を打つべきである。死んでから、倒産してからでは遅い。取り返しがつかない。

 遅くて小さくて少ないマスクに堪り兼ねてか、多くの企業や団体がマスク制作に取り掛かっている。子どもでも自前のマスクを作りだしたし、各家庭でも工夫をしてそれぞれに作りだしている。小学校の家庭科で裁縫があり、つまりは義務教育を受けた者は誰でも作れるはずである。

 外出自粛を徹底すれば、もうマスクは多くはいらないはずである。日本の未来のために命を守る医療の崩壊と、弱小企業倒産を防ぐことに力点を置くべきである。政治家の理性が試されている。

 
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