【体験型観光が日本を変える 163】観光産業を守れ 体験教育企画社長 藤澤安良

  • 2020年4月29日

 全国各地に緊急事態宣言が出ているさなか、高速バスに乗って地方に向かった。仕事の内容は不急不要ではなく、今まさに観光産業の新型コロナウイルスによる経営悪化での廃業問題での相談であった。

 高速バスの乗車券販売窓口で、「なるべく人が周囲にいない席をお願いします」と言うと、笑みを浮かべながら「大丈夫です」と余裕で答えた。それもそのはず、結局大型バスに乗客は私1人であった。話によると全く空で走ることも少なくないとのこと。ありがたいのだが、どう考えても採算に乗るわけもなく、間引き運転にすべきであろう。

 夜に東京へ戻り、午後10時ごろの山手線に乗ったが、いつもなら飲食後のにぎやかな満員電車であるが、感覚ではいつもの8割減である。そんな都内の鉄道に乗った覚えがないぐらいである。社会的距離にはいいが、これもまた経営的には大変そうである。夜に限っては飲食店のアルコールや営業時短が経営に響いていることになる。

 観光産業は昨年7月から、政情により韓国からの観光客が激減し、春節で訪れる予定の中国からコロナ発生で激減から渡航禁止に至り、日本でも2月末から自粛要請と緊急事態宣言により壊滅的な打撃を受けている。

 近い未来が必ず明るいと信じて耐えしのぎたいのだが、潤沢に蓄えがある施設も少なく、動かし続けることでつないでいる場合も多い。自転車とは言わないまでも車操業である。そこに半年以上か1年なのか、見通しがつかない期間に及んでのほぼ無収入では、人件費や家賃地代や施設関係費などの固定経費捻出ができず、傷口が広がらない時期に廃業したいと言われてしまうと、つなぎの融資を受けて嵐の通り過ぎるのを待ちましょうとは言えない。

 宿に例えれば、お客が来なかった日々はもう二度と来ない。売れ残った在庫は消えてしまっているのである。息絶えてからの復活は容易でなく、何か延命措置を講じなければ、コロナ後の観光振興もインバウンドの再開もオリンピック特需もあったものではない。

 中小企業への給付金200万円はありがたいが、生き残りを懸けるには1桁違っている。また、コロナ感染の軽症者は病院の病床からホテルへと移動している。武漢からのチャーター機の帰国者もホテルで過ごして事なきを得た。

 病床が足りない都市圏ではホテルの活用も有効であるが、地方ではその需要は可能性が薄い。ショッピングセンターやスーパーの混雑ぶりがとても大丈夫とは思えない状況である。それからすれば、部屋食やルームサービスなら旅館・ホテルの方が3密を避けることが可能である。その意識で出掛けてみたが、マスク、手洗い、社会的距離、換気、3密回避などの条件を徹底することが可能であると確信した。

 受け入れ態勢を万全に整え、マイカーでの大自然に向かう旅を推奨すべき時であろう。一番いいのは、ゴールデンウイークも活用し、思い切って1~2週間程度、公共交通機関も間引くか停止し、医療、食品以外が休業して、国民が結束して短期収束を狙う方がよい。

 
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