【体験型観光が日本を変える 139】消費税、いじめ、元気に水差す動き 体験教育企画社長 藤澤安良


 ラグビーワールドカップ(W杯)は、日本チームが「攻撃は最大の防御」と言わんばかりに攻めて3連勝と大健闘すると、にわかラグビー通や大ファンと称する人が急に増えるなど、国内外に大きな影響を与えている。他国も同様だが、外国人が何人もいる日本チームでありながら、とてもチームワークやコミュニケーションが良い。学ぶべきことは多い。

 世界陸上の競歩2種目金メダルという快挙や、男子400メートルリレーでも得意のバトンパスでギリギリまで攻めた結果の銅メダルとアジア新記録である。眠気をこらえ、朝4時まで起きて中継を見たが、その甲斐あり、眠気が吹き飛んだ。スポーツでの活躍は日本の元気の源になっている。

 一方で、その元気に冷や水を差すような消費税の値上げが実施された。その財源が真っ当に使われるならまだしも、軽減税率の対象商品の区分や同じ商品で利用場所により税率の異なる事例が発生するなど、現場は混乱を来す結果となっている。

 数千万人にも及ぶ訪日外国人にも即座に理解される説明が必要であり、販売スタッフの負担は大きい。思慮の浅さが露呈した税制である。不具合があるものはすぐさま改定すべきである。

 一度決めたのだから簡単には変えられないとする、面子にこだわる良からぬ日本の風潮が邪魔をし、停滞を招くことが少なくない。朝令暮改が必ずしも悪いことではなく、国民や消費者や働く者にとってよりよい方法があるなら大いに改定すべきであろう。

 教育現場では、前代未聞と言われる事件が起こった。教師が教師をいじめるという事件だ。6月に発覚したが、手をこまねいていたのか、先送りにしてきたのか、今頃になってその対応に追われている。その内容は幼稚で陰湿で実にむごいものである。

 いじめが増加する教育現場で、児童への対応をしていた教師にあるまじき行為は児童や保護者を裏切ることとなり、教師はもとより大人への信頼をなくすことになりかねない。この1校だけではないような気がするのは私だけではないだろう。教員の人間としての資質が問われている。

 教員実習や試験に体験教育プログラムを取り入れ、人間力を教員資格とすべきである。地方創生が叫ばれ、地域の存続が危ぶまれるような状況にあっても、変化や進歩を求めない人が極めて多い。

 現状維持などは神話にすぎず、何もせずに手をこまねいていれば没落の一途をたどることになるのだが、諦めが先にあるのかその危機感がみじんもない。その意識こそが地方の大きな課題である。

 知事や市町村長は「住民の声を聞いて」と悠長に言っているが、首長自らが能動的に提言・助言を聴き、政策を立案してから住民に問いかけて意見を聞くべきである。様子を見るとか、待っているというのは何もしないことと同じだ。

 日本は政治も教育も国民も、モチベーション、コミュニケーション、チームビルディング、素早い対応、攻め続ける姿勢を、スポーツと体験教育で学び、精神力と人間力を高めなければならない。

 
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