【体験型観光が日本を変える 120】ハワイで考えたこと 体験教育企画社長 藤澤安良


 ゴールデンウイーク(GW)の10連休が終わった。マスコミによると、子育て世代から中高年の女性は「よかった」と答えた人より、「よくなかった」と答えた人の方が多かった。働き手にとって、休みの多いことは歓迎するはずであるが、食事作りに追われたり、旅行に出掛けても、交通機関や道路、あるいは観光地は混み合い代金も高いのが相場である。過ごし方次第で大きな差ができることになる。

 私はGWが終わり、一段落したところでハワイに出掛けたが、航空座席は満席に近く、ワイキキは日本人がかなり多かった。それほど手軽な旅費ではないが、所得の高い人が多いのだろうと思う。さらには、ショッピング先でも日本人が多い。しかし、観光地やアウトドアスポーツなどのアクティビティは日本人比率が低い。

 1941年12月7日(日本時間8日)、太平洋戦争が始まった地・パールハーバー。何度訪れても胸を打ち、戦争のむなしさと平和の尊さを再確認することになる。ここに来る日本人は残念ながら買い物先よりはるかに少ない。日本人なら太平洋戦争の始まる地を訪れることはとても重要で意義があるので、ぜひ訪れてほしいものである。

 旅の楽しみは食事時間であるが、ハワイは総じて高い。観光地だが離島であり、食料生産現場が少なく、全ての生活者と観光客の分を賄えるはずもなく、多くの食材調達を島外に委ねることとなり、無理からぬことである。

 高くてそれなりの店はある。高くてまずい店もある。安くておいしい食事場所はそんなに多くはない。それを見つけ出すのも旅の醍醐味(だいごみ)である。

 日本食の有名店が出店している場合、味は間違いない。世界108都市への渡航歴があるが、日本食に勝る食はいまだ見つからず、味覚の好みは当然個人差があるが、日本の魅力は「食」であることは間違いない。一方で、体験プログラムの充実度は進化し続けている。

 着地型観光を扱う本社が日本の会社と、現地で立ち上げている会社がたくさん存在している。その中のハワイ現地会社のパンフレットには70コース205のプログラムが掲載されている。オプショナルツアーと称して日本や現地到着後申し込むツアーは代金が高いイメージだったがコスパの良い商品も多い。リピーターが多い地域だけあって、個人的に行こうとする人も少なくない中での利用促進は薄利多売にならざるを得ない。

 また一方で、個人裁量では実現できない場所や価値創造がある商品なら価格競争にはならない。私も便利さと金額で納得して前日に申し込み利用した。これらの旅行商品は顧客満足度を上げるため継続的に努力をしなければならない。進化してこそリピーターを維持拡大し持続可能なビジネスモデルとなる。日本の地方では、規模こそ違え、2次交通の不便さも克服した体験プログラムツアーを整備し、強い食と合わせての魅力発信が鍵になる。

 
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