【交通トレンド分析98】GW明け出張自粛で再度大幅減便 航空・旅行アナリスト 鳥海高太朗


 緊急事態宣言が5月31日までに延長されたことで、ANAやJALなどの国内線では再度大幅減便となっている。ANAは5月10日に5月13~31日まで2670便の追加減便を発表。5月全体の運航率を2020年度事業計画旅客便数と比べて49%にすることを明らかにした。ゴールデンウイーク(GW)期間中(4月29日~5月5日)の運航率は77%だったことを考えると大きく運航率を下げたことになる。JALでは、4月28日に5月6~20日までの追加減便を発表し、5月全体の運航率は65%となっているものの、21日以降の追加減便が今後発表されることで、5割前後の運航率になる可能性が高い。

 今回、ニュースなどでも取り上げられていたが、緊急事態宣言中にも関わらず、GW期間中は飛行機で沖縄などのリゾート地へ出かけた旅行者も多く、最終的に2年前のGWと比べて約4割弱の国内線利用者となった。回復傾向と言ってもいいだろう。旅行については旅行者自身の判断で出掛けるか取りやめるかを決める。今回のGW期間中の東京都は、終日お酒の提供が飲食店でないことやテーマパーク、デパート、商業施設などへの休業要請もあり、旅行者自身も感染対策をした上でキャンセルせずに予定通りに飛行機を使って旅行へ出かけた人が結果的に多かった。しかしながら、GWが終わり、当初は5月11日までの予定だった緊急事態宣言が31日までに延長されたことに加え、今までの東京都、大阪府、兵庫県、京都府の4都府県に、愛知県と福岡県が加わり、北海道や九州各地などにおいても感染拡大で「まん延防止等重点措置」の対象地域も拡大したことで、国内出張の禁止や自粛を決めた企業が増えた。

 旅行と異なり、出張においては会社が社員の安全を守るという観点、さらに出張先においても首都圏や近畿圏からの出張者に来てほしくないという風潮もあることで旅行以上に取りやめているケースが増えている。今回、出張需要が多い福岡、名古屋が緊急事態宣言となり、札幌も感染者が増え、出張禁止のエリアも増えていると聞く。そのため、GWが終わって旅行需要が落ち着き、ビジネス需要が中心のGW明けに国内線の大幅減便に再度踏み切らざるを得なくなっている。そして何よりも、東京、大阪という日本の大動脈におけるビジネス需要が止まっていることで航空会社、そしてJR東海にとっても再び厳しい状況に陥っている。5月31日で緊急事態宣言が終了となるのか、それとも再々延長があるのか、それ次第によって夏休み前の国内線需要の回復においても大きく変わりそうだ。

 (航空・旅行アナリスト、帝京大学非常勤講師)

 
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