【交通トレンド分析60】JR東日本の新幹線、特急が破格の半額に 航空・旅行アナリスト 鳥海高太朗


 新型コロナウイルスから旅行需要回復を目指す中で「Go Toキャンペーン」の対象外となっている新幹線や特急列車を使った鉄道単体での利用において、JR東日本から驚くべき割引運賃の設定が発表された。8月20日から来年3月31日までの乗車分を対象に3週間前までの購入を条件に(乗車日1カ月前の午前10時~乗車日20日前の午前1時40分まで(システムメンテナンス日を除く)、インターネットのみで予約可能なJR東日本「えきねっと」での限定割引「お先にトクだ値スペシャル」が設定され、割引率は半額となり、指定席特急券と乗車券がセットになった形で販売される。

 今回、東北・北海道新幹線の「はやぶさ」、秋田新幹線「こまち」、山形新幹線「つばさ」、北陸新幹線「かがやき」「はくたか」、上越新幹線「とき」をはじめ、ほとんどの新幹線が対象となるほか、在来線の特急列車「ひたち」「あずさ」「かいじ」「わかしお」「さざなみ」「しおさい」「いなほ」「日光」「きぬがわ」「スペーシアきぬがわ」も対象となる。

 50%の割引となることで、衝撃的な運賃で新幹線を利用することが可能だ。東京駅から新函館北斗駅まで「はやぶさ」で片道あたり大人1万11610円、子供5790円、新青森までなら大人8730円、子供4360円となる。秋田まで「こまち」で大人8950円、山形まで「つばさ」で大人5660円、また北陸新幹線でも「かがやき」で富山まで大人6380円、金沢まで大人7090円となる。

 今回衝撃的だったのは、北陸新幹線における50%割引だ。北陸新幹線が金沢まで開業して以降、JR西日本区間に乗り入れることもあり、割引率も10から15%程度に限られていたが、今回は新型コロナウイルスという緊急事態であったこともあり、私が知る限りでは初めての半額での販売となり、金沢まで片道7090円であれば、日帰りでも気軽に東京から金沢へ訪れることが可能となる。

 「お先にトクだ値スペシャル」の予約の際には、「えきねっと」での決済に必要なクレジットカードの登録が必要となるが、日常で使っているクレジットカードで問題ない。まだ「えきねっと」を使ったことのない場合は「えきねっと」の会員登録をまずは済ませておこう。一部対象外の列車や期間もあり、さらに販売座席数の制限もあることから、最終的には「えきねっと」での空席を確認した上で予約するのが望ましい。

 日帰り需要も多く見込めるほか、宿泊は「Go Toキャンペーン」を使い、半額の新幹線や特急列車と組み合わせで旅をする人も増えそうだ。

 (航空・旅行アナリスト、帝京大学非常勤講師)

 
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