【交通トレンド分析58】新幹線も車両の種類を選ぶと快適に 航空・旅行アナリスト 鳥海高太朗


 7月1日にJR東海の東海道新幹線「のぞみ」に13年ぶりのフルモデルチェンジとなる「N700S」がデビューした。この新型車両は普通車、グリーン車ともに、座席がレベルアップし、長時間乗車してもより疲れない工夫がされているほか、これまで普通席には窓側と最前列のみしかなかったコンセントが全席に搭載されたことで、N700Sであれば新幹線車内で電源の有無を確認する必要がなくなった。当面の間、JR東海では特設ホームページ内で前日に翌日の投入予定列車を発表する。

 このように同じ路線を走っている新幹線でも、車両によって快適度が大きく異なる。筆者は東北新幹線を利用する機会が多いが、東京―盛岡間は東北新幹線を走る秋田新幹線「こまち」車両(E6系)の普通車を愛用している。2―2の座席配列でシートの座り心地や足元の広さも含めて快適であり、他の東北新幹線や山形新幹線の車両のシートと比べものにならないと個人的には思っている。そのため、東京から仙台や盛岡へ向かう際も「はやぶさ」ではなく併結している「こまち」を選ぶようにしているほか、「やまびこ」「なすの」でも17両編成で運転される一部で「こまち」車両が使われることもあり、宇都宮や福島などへ向かう際にも愛用している。

 北陸新幹線「かがやき」「はくたか」などで投入されているE7系、W7系の普通車も快適で、座った際のシートの感触もよく、足元も広く、全席にコンセントが設置されている。最近では上越新幹線にもE7系が投入されるようになり、新潟方面へ出かける際にもE7系を選ぶと快適だ。

 そして個人的にグリーン車並みに快適な普通車指定席が九州新幹線の「みずほ」と「さくら」号だ。両列車ともに新大阪―鹿児島中央間で運転されている。通常は普通車指定席と自由席は同じシートが一般的であるが、山陽・九州新幹線の8両編成のN700系においては指定席と自由席で異なるシートを採用しており、普通車指定席は2―2、自由席は2―3と座席配列も異なり、さらにシートの座り心地やリクライニングなども違う。私も通常は空いていれば自由席を利用することも多いが、この車両に乗る時だけは指定席にするようにしている。

 さらに博多や広島から東京方面へ向かう際なども「のぞみ」ではなく、東京までの場合は山陽新幹線区間のみ快適シートの「みずほ」や「さくら」を選び、新大阪で「のぞみ」に乗り換えることもある。新幹線に乗る際にシートも考えて選ぶとより新幹線旅も楽しくなるだろう。時刻表などでチェックしてみよう。

 (航空・旅行アナリスト、帝京大学非常勤講師)

 
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