【交通トレンド分析4】下地島空港は宮古島インバウンド起爆剤になるか 航空・旅行アナリスト 鳥海高太朗

  • 2019年5月22日

 今年3月30日に沖縄・宮古島から伊良部大橋で結ばれている下地島に「みやこ下地島空港ターミナル(以下下地島空港)」がオープンした。元々はパイロットの訓練をメインにした空港で、1994年に当時の南西航空(現在の日本トランスオーシャン航空)が定期便を撤退して以降は訓練のみで定期便の就航がなかった。そのような中で2015年1月に宮古島と伊良部島を結ぶ全長3540メートルの伊良部大橋が開通し、伊良部島から小さな橋で結ばれている下地島へ車で往来できるようになったことで状況が変わった。宮古空港はターミナルビルのスペースが足りなくなっており増便が難しくなっている中で、下地島空港はジャンボ機の離着陸もできる3千メートルの滑走路があり、国際線の出入国設備も完備したターミナルを三菱地所が中心となって建設した。海外リゾートホテルにいるかのような素晴らしい空港施設で、筆者も利用したが、リゾートにふさわしい空港である。

 ターミナルビルオープン初日の3月30日よりジェットスター・ジャパンが成田―下地島線を就航し、7月3日からは関西―下地島線も就航する。成田―下地島線は就航以来、搭乗率も堅調に推移し、これまでLCCが未就航であった宮古エリアにおいて存在感を増している状況にある。そして7月からは国際線の運航も開始し、本格的なインバウンド誘致が始まる。現在の宮古空港には国際線定期便の運航はないが、7月19日からLCCの香港エクスプレスが香港―下地島線を週3往復で就航することが発表された。

 隣の石垣空港には既に香港エクスプレスとチャイナエアラインの2社が就航しており、既に多くのアジアからの観光客が石垣島を訪れており、下地島空港に国際線定期便が乗り入れることで宮古島エリアにも訪日旅行客が増えることになる。宮古島と下地島の中間にある伊良部島ではリゾートヴィラタイプのホテルの建設ラッシュが続いているが、既存の宿泊施設では7月以降に香港からの予約が入り始めており、3月末のターミナル開業以来、好調に推移している。

 加えて、大韓航空もソウルから5月31日~6月9日の4日間でチャーター便を運航する。国際線利用者が順調に伸びてくれば、香港だけでなく、韓国、台湾、中国、東南アジアなどからのLCC便の就航も期待できるだろう。何よりも便数が少ないので、好きな時間に乗り入れが可能な点もLCC側にとってもメリットがある。宮古空港と車でわずか30分の距離であるが、両方の空港を上手に使い分けすることによって、宮古諸島を盛り上げてほしい。

(航空・旅行アナリスト、帝京大学非常勤講師)

関連する記事

人のモチベーションを高める方法として、(1)やりがいのある仕事や役割を与える(2)達成感を味わわせる(3)褒める、認める、位置付ける(4)成長を実感させる―四つについて見…

続きを読む

近年、外国人観光客の増加に伴い、一部の観光地において、観光スポットおよびその周辺や移動手段である公共交通において、混雑の発生や、生活文化の違いに起因するマナー問題などへの…

続きを読む

久し振りに札幌を訪れた。この時期北海道での一番の楽しみは、なんたってアスパラガス!趣向を凝らしたお料理が堪能できるのは、旬の今ならでは。 まずは北の巨匠、中道博シェフ…

続きを読む

新聞ご購読のお申込み  ベストセレクション

メルマガ申し込み

注目のコンテンツ

第32回「にっぽんの温泉100選」発表!(2018年12月15日号発表)

  • 1位草津、2位別府八湯、3位下呂

2018年度「5つ星の宿」発表!(2018年12月15日号発表)

  • 最新の「人気温泉旅館ホテル250選」「5つ星の宿」は?

第32回「にっぽんの温泉100選・選んだ理由別ベスト100」(2019年1月1日号発表)

  • 「雰囲気」「泉質」「見所・体験の充実」「郷土の食文化」の各カテゴリ別ランキング・ベスト100を発表!

18年度「部門別・旅館ホテル100選」(2019年1月12日号発表)

  • 「料理」「サービス」「風呂」「施設」「雰囲気」のベスト100軒

観光経済新聞の人材紹介

  • 旅館・ホテルの人材不足のお悩み無料相談はこちら
Visit Us On FacebookVisit Us On TwitterVisit Us On InstagramVisit Us On Youtube