【交通トレンド分析208】成田空港行き最終列車、外国人観光客が多数 鳥海高太朗


 先日、夏休みのアメリカ旅行で往路は成田空港発、復路は羽田空港着で帰国した。往路の便が仕事の都合でギリギリの到着になる状況で、自分の車で成田へ向かい、成田空港第1ターミナルの前の駐車場に停めた。そのため、帰国後に自分の車を取りに行くべく、帰国後すぐに日暮里駅から成田空港駅へ向かった。

 この時間にした理由は、成田空港のターミナル前の駐車場は、深夜0時~朝8時に入庫もしくは夜22時~深夜2時に出庫することを条件に6時間以上の駐車時に割引があり、6時間以上~48時間までは半額が割引、48時間以上の駐車においては1日分の2100円が割引される。ということで、あえて遅い時間帯に成田空港へ向かった。

 今回、私が利用したのは日曜日の夜の京成電鉄「イブニングライナー」。通常は成田空港へは「スカイライナー」が成田スカイアクセス線経由で運転しているが、夜の時間帯に京成上野駅から成田空港へ向かう場合は「イブニングライナー」という名称で京成本線を経由し、日暮里、青砥、京成船橋、八千代台、京成佐倉、京成成田、空港第2ビルの各駅に停車する。通常の「スカイライナー」ではライナー券として1300円が必要となるが、「イブニングライナー」では区間に関係なく一律450円のライナー券で乗車できる。

 平日であれば、途中の停車駅で降りる通勤客も多いが、私が利用したのは日曜日でガラガラだと思って乗車したが、半分近い乗車率であった。その多くが外国人で、空港第2ビル駅、成田空港駅まで乗車していたのだ。

 最終の「イブニングライナー」は京成上野駅を23時(日暮里駅23時06分※土休日ダイヤ)に発車し、空港第2ビル駅に24時10分、成田空港駅に24時14分の到着だった。つまり、この列車で成田空港へ向かう外国人は、翌朝便を利用する人が大半で、成田空港内で夜を明かす人なのだ。特に若者の外国人が利用者の中心であったが、日本での最後の夜のホテル代を節約するべく成田空港のターミナル内で寝泊まりをする外国人が増えていたのだ。日本は治安もよく、空港内のベンチで寝泊まりしている場合のトラブルも少ないといわれている。

 成田空港同様に羽田空港第3ターミナルも終電近くになると空港ターミナル内のベンチで多くの外国人観光客が寝ている光景を目にする。その人数が増える姿を見るたびにインバウンドの回復を改めて感じるが、深夜に都心から成田空港へ移動する外国人が多い有料特急の光景は私にとっても不思議な光景だった。

 (航空・旅行アナリスト、帝京大学非常勤講師)

 
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