【交通トレンド分析176】23年3月、新横浜に東急乗り入れで流れ変わる 鳥海高太朗


 2023年3月18日、都内から東海道新幹線を利用する際の人の流れが大きく変わることになりそうだ。東急新横浜線、東横線の日吉駅から新横浜駅の区間が開業する(新横浜から先は相鉄線にも乗り入れ)。

 今回、渋谷からの東急東横線と目黒からの東急目黒線の二つの路線が東急新横浜線に乗り入れることになった。驚くのが所要時間であり、最速列車で渋谷から新横浜までが25分、目黒からは23分となる。これまで東横線・目黒線沿線をはじめ、JR山手線の西側の都内から東海道新幹線に乗る際には、品川駅を利用しているケースが目立ったが、今回の東急新横浜線の開業で、新横浜経由の方が早いケースが増えることになりそうだ。東横線や目黒線沿線はもちろんであるが、接続する東京メトロ副都心線などからの利用も想定される。東急新横浜線については、基本的にすべての列車が東横線もしくは目黒線と直通運転になり、東京メトロ副都心線、南北線、さらには都営地下鉄三田線にも一部列車は乗り入れる。

 そして、もう一つ、大きいのが早朝の東海道新幹線の利用である。今回の東急新横浜線の開業を機に、JR東海では東海道新幹線の定期列車の新横浜始発朝6時発「ひかり533号」に加えて、臨時列車であるが、新横浜始発6時03分発「のぞみ491号」が新設される。午前6時発の「ひかり533号」よりも先に名古屋、京都、新大阪に到着する。名古屋駅に午前7時18分着、京都駅に午前7時52分着、新大阪駅には午前8時06分に到着することで、東京駅や品川始発の「のぞみ」よりも10分以上早く到着できる。この10分によって宿泊せず、当日移動が可能になるケースも出てくる。朝の10分は重要である。

 新横浜始発の午前6時発の「ひかり」、午前6時03分発の「のぞみ」に間に合う列車としては、渋谷からであれば、渋谷始発の5時23分発の急行に乗ることで、新横浜に午前5時48分に到着する。また目黒方面からであれば、目黒駅を午前5時15分に出発する各駅電車に乗ることによって、新横浜駅に午前5時44分に到着する。この列車については、始発駅が東京メトロ南北線の溜池山王となっており、午前5時03分発となる。都心にいる場合でも、早朝1分でも早く、名古屋、京都、大阪へ向かいたい場合に重宝することになる。

 このような形で東急新横浜線は、周辺住民が便利になるだけではなく、東海道新幹線利用者においても重宝する新路線になりそうだ。

 気になる料金であるが、渋谷駅・目黒駅から共にIC乗車券で358円となる。

 (航空・旅行アナリスト、帝京大学非常勤講師)

 
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