東京メトロ銀座線、丸ノ内線、東西線、千代田線が8月27日からダイヤ改正することになった。今回は、運転本数の見直しということで、コロナ禍で利用者が減少していることを背景として、日中時間帯を中心に本数を減らす内容になっている。その中で、特に私も含めて衝撃だったと感じる人が多いのが、銀座線の日中時間帯の本数の大幅削減である。
今回、東京メトロが発表した情報によると、平日午前10時~午後5時、土休日午前8時~午後8時までの時間帯について、現在は1時間あたり18本あるが、一気に12本まで減らす内容になっている。18本だと3~4分に1本の運転間隔になるが、12本になると5分に1本の運転間隔となる。世界的に見ればラッシュ時以外でも3~4分間隔で発車すること自体が驚かれることは多い。そして3~4分に1本から5分に1本に変更されることで、見た目では大したことはないのだが、実際にホームで待つ場合に待ち時間が増えることを体感するケースが増えることが予想される。
以前、東京メトロ有楽町線は日中時間帯の運転間隔が6分に1本だったが、数年前に5分に1本にダイヤ改正して本数が増えた際には1分の違いではあるが、急に本数が増え、ホームでの待ち時間が減ったことを私も実感したが、今回の銀座線のダイヤ改正では、有楽町線や日比谷線と同じ5分間隔になる。これまで銀座線と丸ノ内線の本数が特に多かった理由としては、6両編成で乗車定員も他の地下鉄に比べると少なく、歴史がある分、地下もそれほど深くないことで他の路線よりも乗車しやすいことで気軽に利用できる路線になっている。
しかし、コロナ禍でテレワークが増え、営業などで地下鉄を利用する機会も減少していることは明確であり、利用者が少ない以上はコスト面において本数を維持することは難しいだろう。懸念事項は、時間帯やイベント実施時などについて混雑するケースが発生してしまうことである。
個人的な希望ではあるが、本数を減らす分、イベントが実施される際や混雑が見込まれる際には臨時ダイヤを設定してほしい。また、混雑にならないように本数を柔軟に増やすなどの対応があってもいいだろう。銀座線と丸ノ内線のメリットとしては、他の私鉄やJRに相互乗り入れをしておらず、東京メトロだけの判断で本数を上下できる点である。
ダイヤ改正後に日中時間帯に混雑が見られるのか、それとも影響はほとんどでないのか、そのあたりを個人的には注目したいと思う。
(航空・旅行アナリスト、帝京大学非常勤講師)