【交通トレンド分析129】海外旅行に行けるのかは入国制限次第 鳥海高太朗


 2020年2月頃から海外への渡航が少しずつ厳しくなり、同年4月からは入国制限が大きく強化されたことで、海外へ出掛けることが厳しくなった。2021年はGW明けごろから14日間の帰国後の自主待機が可能な人やどうしても現地に飛ばなければならない海外出張など一部の人は、ワクチン接種証明書やPCR検査の陰性証明書を持参することで海外渡航をした。

 私自身もアフターコロナを見据えて、ハワイ、ロサンゼルス、パリ、フランクフルトなどへ取材に出掛ける機会もあった。11月末になってオミクロン株が出てきたことで、10日間の自主待機に緩和されていた日本帰国時の状況が一律14日間の自主待機となるだけでなく、多くの国からの帰国において3日間もしくは6日間の隔離施設(ホテルなど)での待機が必要な対象国に指定されたことで、私も旅行や出張で海外へ出掛けることが難しくなってしまった。何よりも帰国便でオミクロン株の感染者が出てしまった場合、その便に乗っていた全ての搭乗者が座席番号に関わらず一律濃厚接触者扱いとなることで、14日間の隔離施設での待機も覚悟した上で飛行機に乗る必要が出てきている。

 オミクロン株が確認されてから約1カ月間が経過したが、日本以上に海外での感染のスピードが速いこともあり、多くの国で入国ルールを従来よりも厳しくしている状況となっている。いつ日本人が自由に海外へ出掛けることができるのか? これが2022年の海外旅行を語る上で重要なキーワードとなる。

 この点については、日本に比べて入国制限に関して緩い制限となっているヨーロッパ各国の入国ルールについて、オミクロン株が出てくる前のワクチン接種証明書のみで入国可能なルール(現在は出発直前のPCR検査の陰性証明書が必要)に戻らないことには、日本の入国制限の緩和はほぼないだろう。

 オミクロン株が重症化しないことがより明確となり、治療薬を服用することで感染を抑えられるようになり、新規感染者数が世界的に少ない状況にならないと入国制限の緩和は世界的に難しいだろう。オミクロン株が出て来なければ、2022年春にもある程度自由に海外旅行や海外出張へ出掛けることができると私自身も思っていたが、少なくとも3カ月、場合によっては半年以上遅れる可能性が高まっている。

 このままの状況だと早くても海外へ飛べるのは春以降になるが、2022年のどのタイミングで帰国後の自主待機期間が3日間とか自主待機なしになるのか、現時点では予想も難しくなっている。

 (航空・旅行アナリスト、帝京大学非常勤講師)

 
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